公開日:2023年8月23日

鈴木ヒラク、過去最大規模の個展「今日の発掘」。40点の大規模なインスタレーションも。群馬県立近代美術館にて9月16日から

初日には、鈴木ヒラクによるライブドローイング+トークや初のエッセイ『DRAWING ドローイング 点・線・面からチューブへ』(左右社)の出版も

隕石が書く (S/M) #2 2023 溶岩(ボルト止め) シルバーインク、土、アクリル・キャンバス 作家蔵 Photo by Chen Hsin Wei © Hiraku Suzuki Studio

最新作によるインスタレーション、壁画や近年の代表作も

過去最大の個展となる「鈴木ヒラク 今日の発掘」が、2023年9月16日~12月19日に開催される。会場は群馬県立近代美術館。展示会場は、昨年末惜しくもこの世を去った建築家・磯崎新(1931〜2022)の設計による現代美術棟だ。

Constellation #23 2018 シルバーインク 土 アクリル 墨汁・キャンバス 個人蔵 Photo by Ooki Jingu © Hiraku Suzuki Studio

最新シリーズ《隕石が書く》(2023)の40点による大規模なインスタレーションと、近作《Constellation》(2018〜21)、《Interexcavation》(2019)各シリーズからの作品、そして現地制作される壁画などを組み合わせた作品が並ぶ。

右から Interexcavation #01, #02, #06, #05, #21 2019 シルバーインク 土 アクリル 顔料・キャンバス 東京都現代美術館蔵 「MOTコレクション  光みつる庭/途切れないささやき」(東京都現代美術館)展示風景 2022 Photo by Masaru Yanagiba © Hiraku Suzuki Studio
鈴木ヒラク(東京藝術大学でのドローイングワークショップにて) Photo by Mariana Kameta © Hiraku Suzuki Studio

鈴木ヒラクにとっての線は、言葉と絵、こちら側とあちら側、自己と他者をつなぎ、相互浸透を促すメディアだ。鈴木はドローイングの概念を拡張し、現代における表現の可能性を更新し続けている。《隕石が書く》は匿名の石が孕む宇宙的な記憶と呼応し、光の軌跡など様々な記号をとらえ、「発掘」行為としてのドローイングだ。磯崎新の建築空間と響き合う、描くこと/ 書くことの起源と未来を探求するインスタレーションとなるだろう。

Excavation of a Tube 2019 壁に石 シルバーインク La Panacée(モンペリエ、フランス)での展示風景 Photo by Nadim Zeraïa(参考図版) © Hiraku Suzuki Studio
隕石が書く (S/M) #3 2023 溶岩(ボルト止め) シルバーインク 土 アクリル・キャンバス 作家蔵 Photo by Chen Hsin Wei © Hiraku Suzuki Studio

フランスの思想家ロジェ・カイヨワの著書『石が書く』(1970)を参照したタイトルが示すとおり、《隕石が書く》は、宇宙空間を移動する石が反射する光の軌道など、様々な記号を集積し、作家が身近な環境で拾った匿名の石が孕む膨大な情報と呼応しながら、人類史を遙かに超えた時間軸において生成され続ける線を新しい言語として画面に刻み込む試みである。

初日には鈴木ヒラクによるライブドローイング+トーク、会期中には十和田市現代美術館館長・鷲田めるろとのトーク、サウンドアーティスト・FUJI|||||||||||TAとのライブを開催。本展にあわせて初のエッセイ『ドローイング 点・線・面からチューブへ』(左右社)が出版されるほか、会期中に本展覧会のカタログも刊行予定。

書影『DRAWING ドローイング 点・線・面からチューブへ』(左右社)

鈴木ヒラク 今日の発掘
Hiraku Suzuki: Excavation Today

会期:2023年9月16日~12月19日
休館日:毎週月曜日(ただし9/18、10/9、11/27、12/11、12/18 は開館)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
会場:群馬県立近代美術館
主催:群馬県立近代美術館
協賛:株式会社ジンズホールディングス、アニエスベージャパン株式会社、株式会社ヤマト
協力:白井屋ホテル、rin art association
観覧料:一般300(240)円、大高生150(120)円
*( )内は20 名以上の団体割引料金
*中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1 名、
群馬県民の日(10/28)に観覧される方は無料
詳細:https://mmag.pref.gunma.jp/exhibition/exhibition-3463

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