恵比寿にあるPOINTにて、ニューヨークを拠点に活動する 倉田裕 (KURATA Hiro)の展覧会を開催中。オープニングレセプションには日本に帰国しているあいだに倉田が出会った友人たちも大勢集った。倉田が「今日はみんなの祭り」と話してくれた通り、とてもにぎやかな一夜となった。
倉田が好んで描くモチーフは、虚無僧やメジャーリーガー、馬に乗ったギリシャ神だ。それらはアメリカと日本で育ち、両方の文化をルーツにもつ倉田にとってのヒーロー像そのものであるという。それらのモチーフを自然やモンスターなどのモチーフと合わせコミカルに描き上げ、一見するとポップに見える。しかし、例えばメジャーリーガーと虚無僧であったり不思議な対面が画面の中で行われているのだが、それらが交わしあう視線からはある瞬間の張りつめた空気を感じる。
ポップでありながらも、真摯に制作に取り組む倉田の世界観を感じる展示だ。
日本での新作展は数年ぶりとなる。平面作品のほか、数点の立体作品も展示中。