東京の国立ハンセン病資料館で、 「ハンセン病文学の新生面 『いのちの芽』の詩人たち」が開催される。同展は、ハンセン病療養所の入所者による文学活動、とりわけ詩にフォーカスしたもので、資料館にとって初の文学展となる。会期は2023年2月4日から5月7日。
1953年、らい予防法闘争のさなか刊行された大江満雄編『いのちの芽』(三一書房)は、全国8つのハンセン病療養所から73人が参加した、初めての合同詩集だ。今年は詩集刊行から70年目にあたる節目の年であり、隔離政策の不条理に直面しながらも外部社会に向けて希望・連帯・再生を希求する新たな文学の姿を、「ハンセン病文学の新生面」としてとらえ直すことを展覧会では目指すという。
入所者による作品原稿は残念なことにほぼすべて失われているが、今展では高知県立文学館所蔵の大江満雄宛ての書簡のなかから、本詩集参加者による自筆資料などを初公開するほか、詩集『いのちの芽』を展覧会にあわせて復刊。また、コンサートや講演会なども充実している。