1966年に作られ2018年に解体された東京・銀座のソニービル。その建て替えプロジェクトとして、新しい施設「Ginza Sony Park」が8月15日に竣工した。
数寄屋橋交差点に面するまさに銀座の中心地で長年親しまれてきたソニービル。その角地にあった10坪のパブリックスペース「銀座の庭」を継承・拡張させるかたちでGinza Sony Parkが誕生する。グランドオープンは2025年1月予定。
8月23日にはメディア初公開となるプレスツアーが開催された。
新たなビルは地下3階から5階(屋上)まで。数寄屋橋交差点から1階にアクセスできるのはもちろん、地下2階が東京メトロのコンコースと直結、地下3階は駐車場とつながる。都市と隣接する「ジャンクション建築」を標榜する。
建物はソニービルの花びら構造と呼ばれるスキップフロアを踏襲。特徴は各階をつなぐ階段が屋外とつながる外階段になっていることで、上は空と、下は銀座の街とつながり、気持ちのいい風が吹き抜ける。上下に銀ぶらする、縦のプロムナードというイメージだ。
Ginza Sony Park主宰であるソニー企業の永野大輔社長は、このGinza Sony Parkを変化し続けるサステナブルな公園として成立させるために「余白」という要素が必要不可欠だと語る。
Ginza Sony Parkプロジェクトでは、2018〜21年の建て替えプロセスにおいても解体途中のソニービルを公園にし、展覧会などを行ってきた。このときの経験を活かし、グランドオープン後も各スペースは店舗にテナント貸しするのではなく、アートイベントや展示をはじめとする多様なアクティビティに活用されるという。
「公園というコンセプトのもと、2018〜21年に大きなイベントを15、小さなイベントを200ほど開催してきましたが、なかでも相性がいいと感じたのが、音楽とアートのイベントでした。音楽や現代アートは、そこで提示するものをどう感じるかが受け手に委ねられる。それが公園というコンセプトとフィーリングが合った。そのため、グランドオープン後のプログラムにおいても音楽とアートは外せないと思っています。また銀座には多くのギャラリーが存在しますが、入りやすいとは言えない。若い人などにとっても敷居が低い、入りやすいアートを見られる空間にしたいと思っています」(永野)。
福島夏子(編集部)
福島夏子(編集部)