森美術館「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」 展示風景より、SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUADの作品
2022年12月〜23年1月にかけての冬休み・年末年始期間に開催される注目展覧会をピックアップ。東京を中心に関東の展覧会を紹介する。気になる展覧会はTABアプリでブックマークも忘れずに!
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パリ、ロンドン、NYなどを経て、「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」展が東京に。本展は、1946年に開業し、フランスを代表するクチュール・メゾン「ディオール」の70周年を記念する企画。展示では、バージャケットやレディディオールを筆頭に歴代のアクセサリーやオートクチュールが公開されるほか、イヴ・サン=ローランやラフ・シモンズなど歴代のクリエイティブ・ディレクターたちに焦点を当てたコーナーや、写真家・高木由利子が本展に向けて撮影した作品も並ぶ。
「ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台」展も開催されているため、合わせて鑑賞してはいかがだろうか。
会場:東京都現代美術館
会期:12月21日~2023年5月28日
展覧会詳細
六本木クロッシングは、3年に1度、森美術館で開催されてきた現代アートの企画展。国内現代美術シーンの「いま」を追いかける本展は、若手からベテランまで幅広いアーティストを紹介してきた。本年はコロナ禍で減った人々の行き来を取り戻すことを目指し「往来オーライ!」というサブタイトルが冠されている。出展作家は、AKI INOMATA、青木千絵、青木野枝、潘逸舟、市原えつこ、伊波リンダ、池田宏、猪瀬直哉、石垣克子、石内都、金川晋吾、キュンチョメ、松田修、呉夏枝、O JUN、折元立身、進藤冬華、SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD、竹内公太、玉山拓郎、やんツー、横山奈美の22組。各作家の作品や見どころはニュースを、展示の様子はフォトレポートをチェックしてほしい。
会場:森美術館
会期:12月1日~2023年3月26日
展覧会詳細
今年開館70周年を迎える東京国立近代美術館では、大竹伸朗の大回顧展が開催中。絵画や版画、彫刻、映像、絵本、エッセイまでおよそ500点が、7つのテーマ構成のもと公開される。近年は、ドクメンタ(2012)やヴェネチア・ビエンナーレ(2013)の参加など国外でも広く活動してきた大竹の、制作の軌跡をたどる。展示の様子はフォトレポートを、Tシャツや靴下、スクラップブック、時計など豊富なオリジナルグッズはニュースをチェックしてほしい。
会場:東京国立近代美術館
会期:11月1日~2023年2月5日
展覧会詳細
国立新美術館での「ルートヴィヒ美術館展」に続き、国立西洋美術館に、ベルリン国立ベルクグリューン美術館の名品が来日。美術商ハインツ・ベルクグリューンによるそのコレクションの中核を担うのは、ピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティの作品だ。主要作品がまとめて国外に貸し出されるのは史上初。来日する作品97点のうち、76点が日本初公開となる。
会場:国立西洋美術館
会期:10月8日~2023年1月22日
展覧会詳細
大阪中之島美術館で開催された岡本太郎の大回顧展は東京都美術館へ。表現活動が多岐にわたる太郎は、「何が本職なのか?」と問われると、「人間―全存在として猛烈に生きる人間」という。本展は、《太陽の塔》を始めとする代表作はもちろん、これまであまり注目されてこなかった晩年の作品なども紹介しながらその、「猛烈」なる生涯の全貌に迫る。大阪での展示の様子は、フォトレポートをチェック。
会場:東京都美術館
会期:10月18日~12月28日
展覧会詳細
豊田市美術館、島根県立石見美術館で開催されてきた「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」展が東京都庭園美術館に。本展は、西欧を中心に日本を含む世界各地で様々な「モダン」のかたちが現われた1910〜30年代に注目。ウィーン工房、ソニア・ドローネー、バウハウスなどをキーワードに、急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求することで紡がれたいくつもの「モダン」のあり方が紹介される。なお本展はオンラインでの日時指定制のため、訪れる際は予約が必要だ。
会場:東京都庭園美術館
会期:12月17日~2023年3月5日
日時指定制(詳細)
展覧会詳細
国立科学博物館では、「毒」に注目した展覧会が開催中。生物に何かしらの害を与える物質として働く毒。本展は、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の専門家のもと、動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆるところに存在する毒について紹介する、同館初の試みだ。展覧会の詳細はニュースをチェックしてほしい。
会場:国立科学博物館
会期:11月1日~2023年2月19日
展覧会詳細
アラスカの大自然と、そこに生きる動物や人々を写した写真家、星野道夫。生誕70年を迎えた今年、東京都写真美術館によって2012年にフジフイルムスクエアで開催された同名写真展が再構築された。本展では、20歳のときに初めて足を踏み入れたアラスカの村の記録から、亡くなる直前まで撮影していたロシアのカムチャツカ半島での写真まで公開され、資料展示を交えつつ、作家としての半生に迫る。野口里佳の個展 「不思議な力」も開催されているため、合わせて見ておきたい。
会場:東京都写真美術館
会期:11月19日~2023年1月22日
展覧会詳細
アーティゾン美術館ではパリ・オペラ座に焦点を当てた展覧会が開催中。ルイ14世によって1669年に設立されたパリ・オペラ座は、台本作家や作曲家、美術家による、新たな表現をつねに注文し、それによって支えられてきた。本展は、同館の歴史をたどりつつ、「総合芸術」的に魅力を紐解くことを試みる企画だ。特に、19世紀から20世紀初頭、ロマンティック・バレエ、グランド・オペラ、バレエ・リュスの時代は充実しているため、オペラやバレエに関心がある人はぜひ見ておきたい。
会場:アーティゾン美術館
会期:11月5日~2023年2月5日
展覧会詳細
19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家フェリックス・ヴァロットン。本展は、三菱一号館美術館が持つ、世界有数のヴァロットン版画コレクション約180点が一挙に初公開される。アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックも並ぶ特別展示に注目したい。当時革新的とされた、ヴァロットンによる黒一色の木版画を概観できるチャンスだ。詳細はニュースをチェック。
会場:三菱一号館美術館
会期:10月29日〜2023年1月29日
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1950年代ロンドンのファッションシーンに彗星のごとく登場し、ミニスカートを広めるなど、60年代のストリートカルチャーを牽引したファッションデザイナー、マリー・クワント。本展はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)より来日する約100点の衣服を中心に、小物や写真、映像等を展示し、マリー・クワントのデザイナー、起業家としての歩みをたどるイギリスからの巡回展だ。本国では約40万人が訪れたという同展。マリー・クワントのコスメが日本に上陸する以前のファッションアイテムも多数公開されるため、ファッションの歴史を知りたい人はぜひ訪れたい。
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
会期:11月26日~2023年1月29日
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その精密な筆致から写実主義と目されつつも、丹念な調査と過剰ともいえる取材量に裏付けられた制作によって、新しい視覚像を提示してきた諏訪敦。その個展が府中市美術館で開幕する。これまで亡くなった人の肖像や過去の歴史的な出来事を題材としてきた諏訪。本展では、終戦直後の満州で病没した祖母をテーマにしたプロジェクト「棄民」の作品や、コロナ禍に取り組んだ静物画などが公開される。会期中のイベントなど、詳細はニュースをチェックしてほしい。
会場:府中市美術館
会期:12月17日〜2023年2月26日
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『Michi』『の』『怪物園』など、近年出版した絵本が話題となっている画家、junaida(ジュナイダ)。その作品に迫る展覧会が、立川にあるPLAY! MUSEUMにて開催されている。ヨーロッパを思わせる謎めいた世界観や、細密に描きこまれた人物や背景など、絵本原画や本展のための描き下ろし作品など、400点を超える作品が公開中だ。
会場:PLAY! MUSEUM
会期:10月8日〜2023年1月15日
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不思議な人型の木彫やペインティングで知られる加藤泉。その個展がワタリウム美術館で開催されている。展覧会のメインとなるのは、なんとプラモデルの彫刻。加藤がコロナ禍の空いた時間に動物や昆虫のプラモデルを作っているなかで「作品に使える」と感じたことがきっかけだという。本展では、プラモデルを用いた近年の作品が展示される。新たな素材に挑戦してきた加藤の足跡を辿ることもできるはずだ。展示の見どころはニュースからチェック。本展に際して行われた加藤へのインタビューも読んでほしい。
会場:ワタリウム美術館
会期:11月6日~2023年3月12日
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20世紀にアメリカとパリで活動し、絵画をはじめ写真、オブジェ、映画など多岐にわたる作品を手がけたマン・レイ。本展はそのオブジェ作品に焦点を当てた展覧会だ。ものや言葉の詩的な組み合わせで成り立つそのオブジェは、同じ主題のオブジェを再制作したことも注目だ。国内所蔵のオブジェおよそ50点を軸として、関連する作品や資料を合わせた約150点が紹介される。フォトレポートと平松洋子によるエッセイは要チェック。
会場:DIC川村記念美術館
会期:10月8日~2023年1月15日
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神奈川県立近代美術館 葉山館では、内藤礼《恩寵》が7年ぶりに展示。本作は、鎌倉館の閉館まで、鶴岡八幡宮内にある平家池に臨むテラスに常設されていた。個展当時の作品や新作と合わせて、新しい展示として葉山で生まれ変わる。「マン・レイと女性たち」を合わせて見るのもよいだろう。
会場:神奈川県立近代美術館 葉山館
会期:10月22日~2023年1月22日
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鶴岡八幡宮にほど近い鎌倉別館では、刺繍作品で知られる沖潤子の個展が開催中。美術館では初の個展だ。母が遺した糸をきっかけに独学で刺繍を始めた沖は、衣類やバッグなどに刺繍を施した初期を経て、近年では絵画や彫刻といった領域を超えて制作を展開し、国内外で精力的に作品を発表してきた。本展では、初期作品から、刺繍による代表作、インスタレーションなどを見ることができる。フォトレポートはこちら。
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:9月17日〜2023年1月9日
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20世紀を代表する画家、パブロ・ピカソ。「ピカソ 青の時代を超えて」展は、国内でも屈指のピカソ・コレクションを誇るポーラ美術館とひろしま美術館による作品研究をもとに、生涯、絵画芸術に取り組んだピカソの制作プロセスに注目する展覧会。初期から「青の時代」を超えた晩年までの画業を、国内外の名作約70点をもとに紐解く。
会場:ポーラ美術館
会期:9月17日~2023年1月15日
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水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、地元出身・在住の現代美術家である中﨑透の個展が開催中。初期の代表作である看板をモチーフとした作品を筆頭に、カラーアクリルと蛍光灯を用いる立体作品、リサーチとインタビューから言葉を抽出してストーリーを仕立て上げるインスタレーションなどが展示される。生い立ちから現代美術との出会い、そして美術家として活動する現在まで、出身地ならではの自叙伝的な企画に注目したい。フォトレポートはこちら。
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
会期:11月5日~2023年1月29日
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