旅行などでいつもと違う土地を訪れるたびにしたくなること。それはその土地の酒屋や醸造所に行くこと!ちょっと真面目にクラフトビール語りをした前回にひきつづき、またまたお酒の話で恐縮ですが、今回は会津・福島で出会った素敵な酒屋さんのことについてゆる~く書こうと思います。
先日、旅行で会津・福島を訪れていた途中、車の中からオシャレな建物を発見。調べてみると、なんとそこは酒屋さんでした。お店の名前は「植木屋商店」。江戸時代に創業して以降、18代にわたって続く会津・福島の酒屋だそうです。もし、自然に囲まれた美術館を巡るのが好きで、お酒も好きという方であれば、日本でも有数のサルバドール・ダリのコレクションを所蔵している諸橋近代美術館と一緒に訪れてみると良いかもしれません。
店構えはモダンにリノベーションされていますが、昔の建物も一部現存している趣深い造り。服好きとしては暖簾がGORE-TEXだったのも素敵ポイントですね。やっぱりGORE-TEXを着ている人から醸し出される玄人感(いい意味でのオタク感?)は、たとえ暖簾からでも感じられるんだなぁ。
メインの取り扱いは、会津娘、飛露喜、奈良萬、風が吹く、写楽、國権、会津中将、花泉、泉川、天明などの会津・福島の地酒。日本酒のほかにも、地元で作られたクラフトビールや、ワイン、焼酎などが並んでいました。わたしが訪れた8月頭はまだ夏酒の季節。やさしい店員さんに試飲をさせていただきながら、じっくりとお買い物を楽しむことができました。
また、店内にはお酒のラベルを制作しているアーティストや、福島にゆかりのある写真家のZINなども置かれていて、ギャラリーでの展示や音楽イベントなどにも定期的に参加しているのだとか。東京でも飲食店やギャラリーが主体となったイベントは近年増えていますが、酒屋が一種のカルチャーハブのような役割を果たしているのはわたしにとって少し新鮮で面白いなと感じました。
地域に根差した酒屋さんは、作り手の方と距離が近いのもあって、一つひとつのお酒に込められた想いやストーリーが聞けるのがいい所だなと思います。一度作り手の想いを聞くと、また別の場所でそのお酒に再会したときに感じることも変わりますし、前にこのお酒飲んでたときはこんなことを考えていた、こんなことをしていたという思い出をよみがえらせてくれることもある。
みなさまもぜひ郊外の美術館巡りをするときには一緒に近くの酒屋さんに足を運んでみてください。きっと素敵なお酒・作り手との出会いがあるはずです。美術館の近くにある酒屋・醸造所まとめ記事もいつか書いてみたいですね。ニッチすぎて読んでもらえないかな……?
井嶋 遼(編集部インターン)