「映像とは何か?」を問い、国内外の映像表現を紹介してきた恵比寿映像祭。15回目を迎える「恵比寿映像祭2023」は、「テクノロジー?」をテーマに掲げ、4名のアーティストが映像祭を機会に新作を作る新事業「コミッション・プロジェクト」などを行う。会期は2023年2月3日から2月19日。
「テクノロジー?」というテーマに含意されているのは、技術が社会的に一般化され定着していく際の規範を「誰が、いつ、どのように決めるのか?」という問いであるという。これまでに人類は写真、映画、ヴィデオ、アニメーションなどの映像表現の発明と展開を経験してきたが、例えば現在示されている高精細の映像が100年後にどのようなリアリティとして受け止められているかは誰にも予測できない。そういった問題提起を踏まえつつ、今年の恵比寿映像祭では、多種多様な映像表現の実践を検証し、アートと技術との対話の可能性を考察していく。
注目なのは、今回からスタートする「コミッション・プロジェクト」。約300名の候補者から選出された4名の作家による新作制作委嘱のプログラムで、荒木悠、葉山嶺、金仁淑、大木裕之が「映像とは何か」を軸にした新作を発表。会期中には特別賞を決定する審査会も行うとのこと。
このほかにも、アートと技術の関係を考えるテーマ展示ではルー・ヤン、Houxo QUE、細倉真弓、越田乃梨子、都市や自然の表象に関心を向ける実験工房や北代省三、フィオナ・タンらの作品も並ぶほか、野老朝雄、平本知樹、井口皓太は、東京2020オリンピック競技大会の開会式で行われたドローンによる市松文様の映像を彫刻として再構築した作品を発表するという。
変わったところでは、昨年に引き続き実施される占星術研究家の鏡リュウジが占星術で導き出した各星座の特性をもとに、星座ごとのおすすめの作品を紹介するリーフレット配布などの企画もあり、ますますバラエティ豊かになった印象のエビゾー。来年2月の開催を楽しみに待ちたい。