「新しい日常」という現在から、メディアとテクノロジーの過去をとらえ直し、私たちの未来を芸術を介して思考する。オンラインでの配信とワークショップ24(岐阜県大垣市)で作品が展開される「DX時代のメディア表現──新しい日常から芸術を思考する」が、11月1日〜7日の7日間開かれる。ディレクターは松井茂(詩人、IAMAS教授)。
出品作家は⻘柳菜摘+佐藤朋子、Archival Archetyping、赤松正行、池田町有線放送電話プロジェクト、クワクボリョウタ、谷口かんな、平瀬ミキ、藤幡正樹、誉田千尋、前林明次、ミズタニタマミ、三輪眞弘、毛利悠子、安喜万佐子+前田真二郎、山下麻衣+小林直人ほか。
見どころのひとつは、先進的取り組みとして世界的な注目を集めた藤幡正樹のメディアアート作品《Light on the Net》(1996)。インターネット黎明期にすでにデジタル・トランスフォーメーションを先取りした作品をいまあらためて展示する。
毛利悠子はオンライン作品《For the Birds》を久松真一記念館(岐阜県岐阜市)から配信する。ジョン・ケージへのオマージュという形式をとって、緊急事態宣言中に制作された本作。今回は、ケージと親交のあった岐阜出身の世界的な禅者、久松真一が晩年を過ごした旧宅から配信される。
コロナ禍、自然現象である富山湾の蜃気楼とのコラボレーションによる配信作品で注目された山下麻衣+小林直人。本展では、自然とのコラボレーションの原点となるパフォーマンス作品《発芽を待つ》の記録映像を配信する。人間の掌に盛った土から、植物が「発芽」する瞬間を実見することを試みたパフォーマンスは、9日間昼夜休まず行われた。会期を超えた配信に注目したい。
そのほかにも、アートの新たな鑑賞方法を提案する体験型作品であるArchival Archtyping《モランディの部屋》、シンクタンク・OKB総研とIAMASのトークイベント、IAMAS教員による地域でのメディア表現など多彩なプログラムが予定されている。
「清流の国ぎふ」文化祭 2024
DX時代のメディア表現──新しい日常から芸術を思考する
会期:2024 年11月1日~7日12:00~18:00
会場:オンライン、ワークショップ 24(1階IAMAS 附属図書館、7 階ソピア・キャビン)
住所:岐阜県大垣市今宿6−52−18
入場無料・予約不要
https://www.iamas.ac.jp/newnormal
イベント
トーク
11月2日15:00〜「DX 時代のメディア表現展ガイド」藤幡正樹、松井茂
11月3日15:00〜「OKB 総研と IAMAS の考える地域創造(仮)」 ⻘木義実(OKB 総研社⻑)、赤羽亨ほか
11 月4日15:00〜「新しい日常から芸術を思考する」畠中実(ICC 主任学芸員)、尹志慧(国立新美術館特定研究員)ほか
パフォーマンス
11 月4日(トーク前後)谷口かんなによる三輪眞弘作曲『呪いツイッター』の演奏