パリのアートセンター「ラトリエ・デ・リュミエール(L’atelier des lumières)」で開催された、グスタフ・クリムト、フィンセント・ファン・ゴッホらをテーマとした没入型展示。200万人以上を動員し大きな話題となったこれらの展示を仕掛けてきたチームが、カナダのトロントで新作「Immersive Van Gogh Exhibit」を発表。
その先行展示が、新型コロナウイルス感染対策として車中から見る「ドライブインスタイル」で行われる。会場はトロントの新聞印刷工場跡地。
本展は、《ジャガイモを食べる人々》(1885年)、《ひまわり》(1888年)、《星月夜》(1889年)、《ファンゴッホの寝室》(1889年)などのゴッホの代表作がアニメーションとなり、巨大なセットにプロジェクションされるというもの。芸術監督はマッシミリアーノ・シカルディ(Massimiliano Siccardi)、音楽をルカ・ロンゴバルディ(Luca Longobardi)が担当する。
「Immersive Van Gogh Exhibit」のウェブサイトでは、「コロナ禍で文化イベントを行うことは大きな挑戦であると同時に、トロントのほぼすべての芸術機関がイベントをキャンセルしたり、アーティストやスタッフを解雇したりする現状に悲しみを覚えました。私たちは、観客が安全にゴッホを鑑賞できるような革新的なアプローチを考え出すために、24時間体制で取り組んでいます」と、主催者がメッセージを寄せており、すでに先行展示(6月18日〜28日)のチケットはソールドアウト。7月1日からはウォークスルーのスタイルで開催予定だ。
新型コロナウイルスのパンデミックを受け、ソーシャルディスタンス保持のためのドライブインがにわかに注目を集めている。
ドイツ・シュットリフのクラブ「Index」は、今春よりドライブイン・レイブシリーズ「Autodisco」を開催。音楽に合わせて人々が高らかにクラクションを鳴らす様子はSNSで話題となった。韓国ではコロナ禍で映画館の代わりにドライブインシアターが人気を呼び、車中から礼拝を行うドライブイン・ミサも行われているという。
ウイルス感染対策としてのドライブインスタイルのイベントが日本で催される日も近いだろうか。