2017年は現代アートファンは要注目の年になりそうだ。世界最大規模の現代アートの祭典の一つである「ドクメンタ」と、同じくその一つである「ヴェネチア・ビエンナーレ」、加えて10年に一度開催される「ミュンスター彫刻プロジェクト」が同じ年に開催されるスペシャルイヤーだ。
ヴェネチア・ビエンナーレとは
イタリア北東部に位置するヴェネチアで1895年から2年に一度開催されている、現代美術の国際美術展覧会。2017年に開催される第57回には、フランス館代表にグザヴィエ・ヴェイヤン、アメリカ館代表にマーク・ブラッドフォードらが選出されている。
また日本館代表には、アーティストの岩崎貴宏、キュレーターの鷲田めるろが選ばれた。日本館代表についてのニュースはこちらを参照。
ドクメンタとは
ドイツ中部の都市カッセルで5年に一度開催される、世界最大規模の現代アートの祭典。「ヴェネチア・ビエンナーレ」とともに、最新の現代美術の動向を知る上で、指針の一つとなるイベントだ。
今年で14回目を迎え、アーティスティックディレクターにはクンストハレ・バーゼルのディレクター兼チーフキュレーターであるアダム・シムジックが任命された。また、「ドクメンタ 14」はカッセル、アテネの二都市で開催。スポンサー企業の一つであるエーゲ航空は、4月よりカッセルーアテネ直通のフライトを週2回提供する予定だ。
ミュンスター彫刻プロジェクトとは
1977年から、ドイツ北西部の都市ミュンスターで10年に一度開催されている彫刻展。「ヴェネチア・ビエンナーレ」や「ドクメンタ」のような規模の大きさはないが、招待されたアーティストは街の歴史や風景などリサーチを丁寧に行い作品を制作するため、イベント自体の質の高さが魅力だ。
5回目を迎える今年は、シカゴ生まれのアーティスト、マイケル・スミスが参加。前回と今回の参加アーティストによるデザインの中から、ミュンスターの高齢者たちに選んでもらい入れ墨をする予定だ。参加している他のアーティストもおもしろい取り組みを準備している。
2017年はアートファンにとって見逃せない一年なのは間違いなさそうだ。計画を立て、可能なら3つのイベント全てをまわることをお勧めしたい。
■ドクメンタ14
公式ホームページ(英語): http://d14.documenta.de/
全体会期: 2017年4月8日(土)~9月17日(土)
会期(アテネ): 2017年4月8日(土)~7月16日(土)
会期(カッセル): 2017年6月10日(土)~9月17日(日)
■第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展
公式ホームページ(英語): http://www.labiennale.org/en/art/
会期:2017年5月13日(土)~11月26日(日)
■第5回ミュンスター彫刻プロジェクト
公式ホームページ(ドイツ語、英語あり): http://www.skulptur-projekte.de
会期:2017年6月10日(土)~10月1日(日)