「日本全体がデザインミュージアムになる」というヴィジョンを掲げて活動してきた「Design-DESIGN MUSEUM」。Eテレで「デザインミュージアムをデザインする」という番組を放送するなど、幅広い活動を行なってきた同運動の歩みを概観する展覧会「DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン」が国立新美術館でスタートする。会期は2022年11月30日から12月19日まで。
展覧会の軸となるのは13人のクリエイターが全国13地域で行ったリサーチ。日本人が作って来た様々なモノやコトを「デザインの宝物」として一堂に展示する。
デザイナーの皆川明は「〈雪国のくらし〉を支えるデザイン」として、山形県の「山形緞通」をリサーチ。
建築家の西沢立衛は「〈海の民の合理性〉あふれる町並み」として 新潟県の「佐渡・宿根木集落」をリサーチ。
ファッションデザイナーの森永邦彦は「着る人を守る意思が生んだデザイン」として鹿児島県「ノロの装束“ハブラギン”」をリサーチ。
プロダクトデザイナーの柴田文江は「千年続く織物 郡内織物のルーツ」として山梨県の「甲斐絹」をリサーチ。
建築家の乾久美子は「無名の工夫の集積にデザインを見る 」というテーマのもと、静岡県の「小さな風景」をリサーチ。
テキスタイルデザイナーの須藤玲子は「発想源は富山の『あんどん祭』」をテーマに掲げ、富山県で作られているラグビージャージーといった「最先端スポーツウエア」をリサーチ。
デザイナーの三澤遥は「万物をフラットにみる収集のデザイン」として和歌山県の「南方熊楠コレクション」をリサーチ。
グラフィックデザイナーの原研哉は「合理性が生む揺るぎないかたち」として岡山県の「プロペラ」をリサーチ。
服飾デザイナーの廣川玉枝は「更新されながら受け継がれる情熱の結晶」とのテーマを掲げ、 福岡県の「博多祇園山笠」をリサーチ。
映像作家の辻󠄀川幸一郎は「おもちゃは人間が最初に触れるデザイン」をテーマに兵庫県「ぶちゴマ、そこから広がるさまざまなコマ」をリサーチ。
ゲームデザイナー/エクスペリエンスアーキテクトの水口哲也は「伝統の匠と最新のテクノロジーの出会いをデザイン 」として静岡県「トランスアコースティックピアノ」をリサーチしている。
かれらが発見した多様な日本のデザインに触れる機会だ。