東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで「デザインあ展」が開催中だ。本展はNHK Eテレで放送中の教育番組「デザインあ」を展覧会というかたちに発展させた企画展である。日々の生活や行動をするうえで欠かせない洞察力や創造力、無意識的に物事の適性を判断する身体能力を「デザインマインド」とし、これを本展覧会のテーマとしている。
会場の最も広い展示空間は「お寿司」「本」「器」「お金」「学校」の5つのテーマでデザインを観察する仕組みになっており、それぞれのテーマが、「解散」「多様性」「掘り下げ」と順につづき、いちばん奥のスペースでは子どもたちが自由に遊べる構成になっている。そのほか、番組の「うた」のコーナーが部屋中に広がった《モノ・オトと映像の部屋》や、映像をみながら様々な包み方を学べる《ふろしき》など、映像・音楽・物・ウェブサイト・テレビ番組をつなぎ、デザインを「体感」することを意識した展覧会だ。
一般公開に先駆け行われたプレスプレビューには、展覧会のディレクションを務めるグラフィックデザイナーであり、NHK Eテレ「デザインあ」において総合指導を担当する佐藤卓、インターフェースデザイナー・中村勇吾、ミュージシャンの小山田圭吾らをはじめ、本展出展作家らが参加し、それぞれの出展作品を紹介した。
佐藤卓は「デザインはかっこいい、特別なものだけがデザインで、そうでないものはデザインではないというような扱いをされることが多く、誤解をされていることが多々ある。意識をしなくても私たちはいろんなデザインを普段の生活で接しており、日常の中にはいろいろな人の工夫やデザインの試行錯誤がある。そういうことに子どもの頃に気づいてもらい、デザインはおもしろいと興味を持ってもらえるようなきっかけになってほしいという思いで番組をつくりました。子どもたちが将来どんな仕事についても、『デザインマインド』があると仕事や生活が豊かになるのではないかと思います。展覧会ではさまざまな感覚を総動員して接してもらえるような構成にしました。」と冒頭のあいさつでコメント。
「やたらと音がうるさかったり、にぎやかな場所で子どもが思いきり楽しめる遊園地のような場所をイメージしました。展示と遊び場の中間のような感じで楽しんでもらいたい。」と中村勇吾が続けた。
さらに小山田圭吾は「自分たちが楽しみながらやっているので、皆さんにも楽しんでもらいたい。」と語った。
今回の展覧会では、館内での撮影が可能だ。ハッシュタグ#design_ahをつけてTwitterやInstagramへ投稿すると展覧会特設サイトにて写真が掲載される。また、《デッサンあ》という作品は実際にデッサンを体験する参加型の作品であり、描いたデッサンは会場に大きく映し出される。これは、特設サイトからも閲覧が可能なほか、デッサンの投稿も可能となっている。 「デザインあ展」スペシャルサイト
期間中はさまざまな関連プログラムも用意されている。子どもはもちろん、大人も十分に楽しめる内容となっている。さぁ、あなたの「あ!」を見つけに行ってみよう!