公開日:2024年2月21日

東京の名建築でアートを観て、買う。「CURATION⇄FAIR」がkudan houseで開幕。登録有形文化財をリノベしたユニークな会場

2月21日〜3月3日に展覧会、3月9日〜11日にアートフェア「Art Kudan」が開催

会場風景

東京・九段を舞台に初開催される展覧会+フェア

2024年2月21日、初となる「CURATION⇄FAIR Tokyo」が、一般非公開の登録有形文化財kudan houseで開幕した。

会期は2部構成で、「時間」を軸にした展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」と、アートフェアがわけて展開される。展覧会は2月21日〜3月3日、アートフェアは3月9日〜11日(3月8日は招待日)。シニアアドバイザーとして山本豊津、キュレーターとして遠藤水城が参加。展覧会で作品の社会的意義を読み解き、厳選されたギャラリーが出展するアートフェアでコレクションすることを楽しむアートイベントだ。

登録有形文化財・kudan house外観写真
会場風景より、Kazuhiro Aihara《その幻覚、水につき。》(2024) ディスプレイ、SBC、パイプ、コンクリートブロック 250×160×200cm

舞台となるkudan houseは、東京・九段に佇む日本の歴史に名を刻む名建築。登録有形文化財である「旧山口萬吉邸」をリノベーションした会員制のビジネスイノベーション拠点だ。日本を代表する3人の建築家、内藤多仲、木子七郎、今井兼次によって建てられたこの邸宅は、美しい曲線を施したデザインと鉄筋コンクリートの黎明期の代表作として、日本の歴史に名を刻む。

会場風景より、渡辺始興《桃に三牛図》(江戸初期) 紙本墨絵

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」

今回取材した展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」は、川端康成大江健三郎、ふたりの作家による日本文化論がタイトルの着想源になっている。またキュレーターのほか、展示構成にアーティストの五月女哲平、動作ディレクションに振付家・ダンサーの神村恵+福留麻里が名を連ねているのがユニークなところ。

振付家・ダンサーの神村恵によるパフォーマンスも披露された
会場風景より、室町時代の信楽壺

会場は主に地上階と地下空間の2つのパートで構成。

まず洋館を基調としながら和室や現代的な空間を備える地上階では、近代以前・近代・現代といった時代、また東洋と西洋、日本とアジアといった文脈から切り離されたものたちが併存。作品が「ある」ことや作品を「見る」ことについて鑑賞者に新しい経験を投げかける。

会場風景より、合田佐和子《クラーク・ゲーブル》(1973) キャンバスに油彩
会場風景

地下空間では、広大なスペースに、香月泰男の絵画作品3点と橋本聡によって展開された大量の作品群が展示される。

会場風景より、橋本聡の作品群
会場風景より、橋本聡の作品群。展示会場の明かりはついたり消えたりする

一般非公開のkudan houseの建築空間を体験しながらアートを楽しめる、貴重な機会だ。

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