クロード・モネ 睡蓮の池 1907 石橋財団アーティゾン美術館蔵
印象派の巨匠、クロード・モネ(1840〜1926)の没後100年を記念した大規模回顧展「クロード・モネ -風景への問いかけ」が、が2026年2月7日から5月24日までアーティゾン美術館にて開催される。

本展は、モネ作品の世界有数のコレクションを所蔵するパリのオルセー美術館との共同企画。オルセー美術館から選りすぐられたモネの代表作40点以上を含む約90点に、アーティゾン美術館をはじめとする国内の美術館や個人コレクションからの作品を加え、約140点が一堂に会する。

展示は、モネが画家として活動したル・アーヴル、アルジャントゥイユ、ヴェトゥイユ、そして晩年を過ごしたジヴェルニーなど、重要な土地と時代を軸に構成。自然光の移ろいをとらえ続けた彼のまなざしとともに、風景画表現の革新の過程が丁寧に紹介される。また、同時代の絵画や写真、日本の浮世絵、アール・ヌーヴォーの工芸作品などの表現との関わりから、モネの創作を支えた美的背景や思想にも光を当てる。


さらに、現代映像作家アンジュ・レッチアによる、モネへのオマージュとして制作された没入型の映像作品も展示。来場者は、光と色彩が織りなすモネの世界に包まれるような、感覚的な体験を楽しめる。

モネの没後100年という記念すべき年の幕開けにふさわしい、スケールと内容を誇る本展。風景とは何かを問い続けたモネのまなざしを通して、私たち自身の風景観を見つめ直す貴重な機会となるだろう。

