公開日:2022年5月23日

安曇野ちひろ美術館で平和を見つめる展覧会。同時期にはウクライナ侵攻で再注目される絵本『てぶくろ』を紹介する原画展も

「世界中のこども みんなに 平和としあわせを」と「ちひろ美術館コレクション 絵本から飛び出せ!動物たち」展が、6月4日から9月4日まで開催

エフゲーニー・ラチョフ(ロシア) 『てぶくろ』(福音館書店)より 1950

ウクライナの民話を描いた『てぶくろ』の原画を公開

絵本画家・いわさきちひろと世界の絵本画家の作品を展示する安曇野ちひろ美術館が、平和を改めて見つめる小企画「世界中のこども みんなに 平和としあわせを」を6月4日から急遽開催する。また、当初から予定されていた「ちひろ美術館コレクション 絵本から飛び出せ!動物たち」展でも、ロシアの画家エフゲーニー・ラチョフ(エウゲーニー・M・ラチョフ)が、ソビエト時代にウクライナの民話を題材に描いた『てぶくろ』の原画全7点が出展されている。

いわさきちひろ 緑の風のなかの少女 1972
エフゲーニー・ラチョフ(ロシア) 『てぶくろ』(福音館書店)より 1950

前者の展示では、ちひろが反戦の思いを込めて描いた絵本『戦火のなかの子どもたち』の作品をはじめ、1963年にちひろがキーウを訪れた際のスケッチなど全16点を展示し、平和への願いを見つめなおす。

いわさきちひろ キエフ 老人たち 1963

また後者は、美術館コレクションのなかから世界の絵本画家が描いた動物たちを「森へ」「ジャングルの暮らし」「サバンナのなかま」「ちいさいがいっぱい」「人の一番近くで」「人の暮らしとともに」の6つのテーマにわけて紹介。絵本に描かれた動物たちが暮らす自然環境にもフォーカスしている。

ウクライナへのロシア侵攻が長期化しつつあり、世界各地での紛争も絶えないいま。絵本画家たちが作品に託した平和への想い、子供たちが健やかに成長できる世界の実現に思いを馳せたい。

あべ弘士(日本) 『ライオンのながいいちにち』(佼成出版社)より 2003頃
シビル・ウェッタンシンハ 『かさどろぼう』(福武書店)より 1986
ミルコ・ハナーク(チェコ) 鹿 1969頃
クラウス・エンヅィカート(ドイツ) 『4人の子ども、世界をまわる』より 1990〜1992

世界中のこども みんなに 平和としあわせを

ちひろ美術館コレクション 絵本から飛び出せ!動物たち

会期:2022年6月4日〜9月4日
会場:安曇野ちひろ美術館
開館時間:10:00~17:00
休館日:水(祝の場合は翌日休館)
https://chihiro.jp/azumino/


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