公開日:2023年2月13日

片桐はいりの一人芝居を喫茶店で無料上演。チェルフィッチュ・岡田利規『あなたが彼女にしてあげられることは何もない』を神戸でリクリエーション

神戸市内の4つの喫茶店で2月24日〜26日、3月4日〜5日に上演。予約は不要、料金も無料

岡田利規と片桐はいり 写真左:© 宇壽山貴久子

喫茶店から空想の世界が広がる一人芝居

喫茶店を舞台にした岡田利規作・演出の一人芝居『あなたが彼女にしてあげられることは何もない』が、片桐はいりの主演でリクリエーションされる。会場は神戸市内に点在する4つの喫茶店で、予約不要・料金無料(立ち見のみ)。上演は2月24〜26日、3月4日〜5日の計5日間。

神戸市経済観光局が主催し、森山未來がメインキュレーターを務めるアートプロジェクト「KOBE Re:Public Art Project」のプログラムとして上演する。

片桐はいり

同作は、喫茶店にやってきた一人の女性客の空想的な語りがやがて壮大な世界を描き出していく一人芝居として2015年に初演された。約30分の上演を、観客は店の外から窓越しに鑑賞するというユニークなスタイル。

今回のリクリエーションでは、中華街である南京町の創業46年の喫茶店「喫茶しゅみ」(2月24日17:30~、雨天中止)、萩原珈琲が運営する創業60年を迎えた元町商店街の喫茶店「元町サントス」(2月25日10:30~)、同じく元町商店街にある昭和35年創業の純喫茶「アルファ本店」(2月26日15:30~)、ポートタワー前のコンテナハウスが印象的な喫茶カフェ「SO TABLE KOBE 0330」(3月4日、5日各回15:30~、雨天中止)を日替わりで会場とする。

今回のリクリエーションについて、岡田と片桐は以下のコメントを寄せている

実際の喫茶店を会場にして行われる演劇作品を数年ぶりに、喫茶店文化の根付いた都市・神戸で再演します。人がひとりで喫茶店で過ごす時間の中に潜んでいるかもしれない切実な不穏さに、この上演を楽しむことを介して思いを至らせてもらえたら、そして現代の社会、現代という時代に生きることが孕むあれやこれやの前に立ち竦んでいただけたら、本望です。

岡田利規

震災の前後のころに、よく神戸でお芝居をしていました。山のほう、海のほう、いろんな街を歩きました。そこここで出くわすすてきな喫茶店で、よくお茶飲んで過ごしました。今回は劇場を出て、喫茶店のひとすみでお芝居します。おかしくて禍々しい、けったいなお芝居です。しかも観覧無料…けったいです。もし出くわしたら、足をとめてみてください。最後までたちあっていただけたら、なお幸せです。

片桐はいり

日常の風景がねじれるような不思議な手触りの演劇を見に、ふらりと喫茶店に足を運んでみてはいかが?

岡田利規 © 宇壽山貴久子

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