公開日:2024年5月4日

今月の読みたい本!【5月】アクティヴィズム、フェミニズム、クィア、プッシー・ライオット、パンデミック、女性たちの映画史、アートワーカー、共感覚など

アート、映画、デザイン、建築、マンガ、ファッション、カルチャーなどに関するおすすめの新刊を毎月紹介。

読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門

ナージャ・トロコンニコワ 著
野中モモ 翻訳  ソウ・スウィート・パブリッシング 2600円+税 4月30日発売

ロシアのフェミニスト・パンク・プロテスト・アート集団「プッシー・ライオット」。その設立経緯、ロシア国内で行ったアクション、逮捕されたのちの獄中生活を綴った手記であり、現代を生き抜くための“実践的な知”を10のルールで紹介する異色の生き方の指南書(サバイバルガイド)。「ロシアでフェミニストでクィアであることの意味とは?」「 アートとアクティビズムはいかに交差するのか?」その問いにユーモアたっぷりに答えていく。

パンデミックとアート 2020-2023

椹木野衣 著
左右社 2300 円+税 5月15日発売

20世紀初頭に起きた人類史上桁違いの災厄「スペイン風邪」を忘却していたことに思いを馳せ、不可逆的に変容してゆく「日常」を見つめつつ書き継がれた、美術批評家・椹木野衣によるコロナ週報。2020年3月から4年に渡り『西日本新聞』で連載された時評に書き下ろしを加えて書籍化。「忘却」に抗い、遠からずまた訪れる「反復」に備えるために、私たちができることはなんだろうか。

ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック

降矢聡+吉田夏生 編
グッチーズ・フリースクール 監修 フィルムアート社 2300円+税 4月26日発売

未公開映画の上映で人気のグッチーズ・フリースクール監修の「女性たちの映画史」をめぐる新しく楽しいガイドブック。映画史における「女性」、スクリーン上に存在する女性たち、イメージを紡ぎ上げる作り手、映画表現における女性存在をめぐる思考、その先で映画を広げようとする人々の取り組みまで、「女性たちの映画史」に向き合うための方法を、この本と共にみつけよう。映画との毎日がちょっぴり変わる一冊だ。

アートワーカーズ 制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践

ジュリア・ブライアン゠ウィルソン 著
高橋沙也葉/長谷川新/松本理沙/武澤里映 訳  フィルムアート社 3800円+税 3月26日発売

ベトナム反戦運動、フェミニズム、反人種差別運動、美術制度批評……1960年代アメリカで、自らを芸術労働者(アートワーカー)と定義することでアクションを起こした、カール・アンドレ、ロバート・モリス、ルーシー・リパード、ハンス・ハーケの先駆的でラディカルな試みを描き、今日的意義を問い直す一冊。「混乱の時代、芸術はいかに社会に応答しうるか?」。彼らの実践は、半世紀以上の時を経て、なお新鮮な問いを発し続けている。

共感覚への旅 ―モダニズム・同時代論

新見隆 著
アートダイバー 3000円+税 4月25日発売

「見ること」=美術、に憑かれた学芸員が、「聴くこと」=音楽、に合わせて書き下ろした一冊。40年以上も国内外のアートシーンで活躍し「ザ・キュレーター」と称された著者が辿り着いた芸術の深奥。そこには、芸術家たちの自然への渇望、肉体への回帰があった。「五感の悦び」に再び出会うため、 美術と音楽とをつなぐ「共感覚」を軸にモダンアートとコンテンポラリーアートを旅するように巡る軽快かつ洒脱な論考集。「芸術とは何か」を体感しよう。

【出版社様へ:新刊情報募集】
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