平野智紀 著
あいり出版 1800円+税 7月7日発売
各地の美術館やアートプロジェクトで、対話型鑑賞ワークショップの実践やそれを通じた人材育成を担当してきた筆者による単著。どうしたら深い対話を引き出すことができるのか、作品にまつわる情報はどのように取り扱ったらいいのかなど、対話型鑑賞を知識構築のプロセスとしてとらえることで、鑑賞のファシリテーションに関する知見を見出すことを試みる。対話型鑑賞において、知識構築を促すファシリテーションの原則を明らかにし、鑑賞のファシリテーションのモデルを示す。
サンドゥー・パブリッシング 編
グラフィック社 3900円+税 7月10日発売
世界中から集めた88のプロジェクトを印刷・製本仕様とともに紹介する珠玉のブックデザイン集が登場。コンテンツに込められたメッセージを、いかにして「本」という形へと凝縮するか、ブックデザイナーたちの熱意と創意工夫が感じられる1冊。6組のデザイナーへのロングインタビュー、最先端のブックデザイン、印刷・加工技術の活用事例など、アイデアのヒントがたっぷり詰まっている。編集は2001年に設立された中国・広州の出版社。
吉良智子 著
平凡社 3000円+税 7月14日発売
第二次大戦中の「戦争画」といえば藤田嗣治ら男性作家たちが有名だが、じつは絵筆をもった女性画家たちもまた違ったかたちで戦争の時代を描いていた。長谷川春子や桂ゆき、三岸節子、そして女流美術家奉公隊……。見落とされてきた女性画家たちの足跡を追う1冊。日本美術史、ジェンダー史研究者である筆者が2015年に刊行した『女性画家たちの戦争』をもとに編集・制作し、新規調査で判明した事項を修正・加筆。
杉本竜 著
創元社 1700円+税 7月18日発売
たとえなりたくても採用そのものが非常に少ない職業、学芸員。その狭き門にアルバイト職員が数多く採用されている三重県の桑名市博物館現役館長が、大学では教えてもらえない、学芸員の目指し方とハードで多岐にわたる仕事の内容を事細かに伝授。決して安直に夢を与えることなく、就職してから挫折しないためのノウハウも盛りだくさん。厳しさを増す、令和の時代の博物館学芸員を生き抜くための指南書としてもおすすめの1冊。
伊藤徹、檜垣立哉 著
堀之内出版 2700円+税 7月24日発売
没後40年となる今年、マルチに活躍した寺山修司の残したものを、多角的な視点から論じる論集が刊行。思想、競馬、言語学、美術、デザイン、演劇、映像、政治をテーマに、各分野の筆者陣がそれぞれの問題意識で挑み、新たな魅力を発掘する。寺山がなぜいまも読者・観客を惹きつけ続けるのか、また寺山の問題意識と現代の共通点などが、1冊を通して明らかになるだろう。
亀井博司 著 山本浩貴 監修
晶文社 1800円+税 7月25日発売
毎日放送で営業、報道記者を経て現在はコンテンツ戦略部アニメプロデューサーを務める筆者は、大学時代にバックパッカーをしながらヨーロッパの美術館を巡っていた際に現代アートの魅力にハマった経験を持つ。そんな筆者ならではの楽しくやさしい視点で現代アートを説明する入門書。
櫛野展正 著
ケンエレブックス 2800円+税 7月29日発売
アウトサイダー・アート専門スペース「クシノテラス」を開設し、「アウトサイダーキュレーター」として活躍する筆者が、「超老芸術家」に迫る。「超老芸術家」とは筆者による造語で「老いを超える」という字のとおり、高齢になってから、あるいは高齢になってもなお、表現活動に情熱を燃やす人たちを指す。退職後に巨大な海老や蟹などが街を襲う様子を描き始めた稲田泰樹をはじめ、25名の個性的な「超老芸術家」の作品とインタビューをオールカラーで収録。
ドミニク・マカイヴァー・ロペス、ベンス・ナナイ 、ニック・リグル 著
森功次 訳 勁草書房 2500円+税 8月1日発売
おしゃれ、ダサい、ステキ、つまらない。こうした日々の感動をなぜ大事にするのか。生活の彩りの意味を問うあたらしい哲学入門。お気に入りの服を着る、おいしいものを食べる、好きな映画をみるといった日常の様々な美的選択は、人生にどのような意味をもたらすのか。人はなぜ美的な暮らしを送るのか。現代美学を代表する論者たちが3つの答えを提案する、哲学入門の授業向けに書かれた教科書。著者たちによる座談会とティーチングガイドつき。
アリックス・パレ 著 冨田章 訳・監修
グラフィック社 1800円+税 8月8日発売
魔女の図像はどのように誕生したのか? ブリューゲル(父)、ゴヤ、ビアズリー、ドラクロワ、国芳、ミロなど、偉大な芸術家たちが魅せられた魔女とはいったい何者なのか? 魔女を物語る重要作品、魔女を物語る意外な作品のほか、魔女狩りの地理的分布、魔女のアトリビュート、取り巻きの動物なども紹介。作者や作品にまつわる逸話も満載。神話、聖書、文学、歴史など、様々な背景から解説した1冊。
村上由鶴 著
光文社 980円+税 8月18日発売
「アートとフェミニズムは、(中略)入門したくてもしにくい『みんなのものではないもの』なのです」(「はじめに」より)という問題意識のもと、フェミニズムを使ってアートを読み解く新しい試みの本が誕生。理解の断絶が進む現在の状況に風穴を開けるべく、アートとフェミニズムを「みんなのもの」として開く。
山内朋樹 著
フィルムアート社 2600円+税 8月26日発売
庭師であり美学者でもあるというユニークなバックグラウンドを持つ注目の研究者・山内朋樹の待望の初単著。京都福知山の観音寺を訪ね、その大聖院庭園作庭工事のフィールドワークをもとに、庭のつくられ方を記録した「令和・作庭記」である本書は、制作のプロセスを徹底的に観察するとともに、その造形(かたち・構造)の論理を分析し、「制作されるもの」と「制作するもの」の間に起きていることを思考する。ミクロの視点で時間軸を引き伸ばしながら、かたちが生まれるその瞬間を丹念に解読していく、他に類を見ない新しい制作論。
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