前回こちらでお伝えしたワークショップの様子は読んでいただけましたか?
今から半年ほど前、Tokyo Art Map(以下アートマップ)が5年目を迎えたことを機に、アートマップのミッションとも言える「無数にある東京のアートイベントに少しでも親しんでほしい」「東京のアートシーンの面白さを感じてほしい」という気持ちはそのまま、読者調査やチーム内でのワークショップを重ねてきました。その過程で、アートマップのリニューアルが正式に決定。その後数ヶ月にわたり、方向性を固め、デザインやコンテンツのアイデアを出し合い、試作を繰り返したりしながら本格的に作り込んでいきました。内容はもちろん、形状も大きく異なるので、かなり大掛かりな変更でした。
そしてこの度ようやく印刷されたものが各所で設置スタート。いよいよみなさんに、新しいアートマップのお披露目をします!
情報取得の変化に伴い、今ではアートマップを「持ち歩いて」もらう必要は前と比べて減ってきました。でも、大きな東京という街の「全体感」や「鼓動」を感じることができるのは、大きく広げた紙が持つ絶対的な特権と言えるかも知れません。
アートマップを広げると、東京のあちこちでやっているイベントが一目瞭然。部屋やオフィスなどの目につくところに貼って、ちょっとした時間にイベントをチェックすることができます。例えば、洗面所に貼って歯磨きの途中に、ベッドの横に貼って眠る前に見るなど、日常の中にアートマップを取り入れることができます。習慣的に見ることができれば、行きたいイベントに行きそびれることもなくなりそう。
Tokyo Art Mapならではの読み物コンテンツが充実。話題の作家にフォーカスも
30以上のイベント情報はそのままに、今までになかったコンテンツが増えました。リニューアル初の号を華やかに飾ってくれたのは、日本の現代アートを代表する作家で現在森美術館で展示中の会田誠さん本人による「東京」にちなんだコラムや、ワタリウム美術館で「新政府展」を開催している坂口恭平さんにぶつけた10の質問!
さらに、いくつかのイベント情報をハイライトし、学芸員や関係者から直接お聞きした見どころコメント紹介も。これらのコンテンツは、全てウェブでは読めないアートマップならではの内容。これまでの読者のみなさんはもちろん、今までウェブのみを利用していた方にも、アートマップを手に取ってじっくり読み込んでもらえたら嬉しいです。
折り畳んだ時の表紙には、MA2 Galleryで「扮する人」を開催中の袴田京太朗さんの作品を。どんな作品なのか、実際に間近に見てみたくなってきますね。今後もギャラリーや展覧会の後押しをする気持ちで、多様な作品を取り上げていきたいと思っています。
今回の裏面ポスターで実現したのは、タイの作家で日本でも「タムくん」の愛称で親しまれているウィスット・ポンニミットさんのグッズを扱うショップにちなんだ、オレンジ色のポップなイラスト広告です。
都内各所で配布がはじまりました!
フリーペーパーとしての魅力を改めて考え直し、リニューアルされた新しいTokyo Art Map。今までどおりのイベント情報と、読み応えのあるコンテンツが掲載され、ますます利用しがいのあるものになりました。
順次、美術館や駅、カフェ、ショップなど東京の約500カ所に並んでいきます。大きく変化したアートマップをより生活の中で活躍させて下さいね。
[TABインターン]
長祖久美子:1983年北海道旭川生まれ。上京してからというもの、ありとあらゆるアルバイト、イベントボランティアなどを経験。社会の厳しさと面白さを知る。出版社勤務などの紆余曲折を経て、ライターとして活動中。
田村悠貴:高校生のときにアートでまちを活性化する事業に関わって以来、日常生活にアートを滑り込ませていく活動や、人格や感情がどのように作品に表出しているかに興味をもつ。現在は大学院で、カフェや美術館の心理的機能について研究をしながら、心理学とアートの狭間を探索中。喫茶店がとても好き。