マリー・ローランサン 二人の少女 1923 石橋財団アーティゾン美術館蔵
印象派と日本近代洋画を中心に、古代から現代アートまで約3000点の作品を所蔵するアーティゾン美術館。2024年に開催する展覧会スケジュールが公開された。大きく4シーズンに分けて開催される展示内容を、一挙に紹介したい。
20世紀前半に活躍した女性画家マリー・ローランサン(1883〜1956)をピックアップ。パリのアカデミー・アンベールで学び、キュビスムの画家として活動をはじめたローランサンは、第二次世界大戦勃発後もほとんどパリに暮らし、72歳で亡くなるまで制作をつづけた。ローランサンの画業を複数のテーマから紹介し、関連するほかの画家たちの作品と比較しつつ、彼女の作品の魅力を紹介する。
ロダン以後の20 世紀彫刻の領野を切り拓いた存在として知られる、ルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(1876〜1957)。彫刻作品を中核に、フレスコ、テンペラなどの絵画作品やドローイング、写真作品などが計約90 点展示される。純粋なフォルムの探究を行ったブランクーシの創作活動の全体を美術館で紹介する、日本で初めての機会となる。
モネ、ピカソ、藤島武二、岸田劉生、琳派による作品や抽象絵画まで、古今東西、様々な分野の作品からなる石橋財団コレクションが集結。4階〜6階の3フロアをすべて使った大規模展となる。美術品がどのような状況で生まれ、どのように扱われ、受け継いでこられたのか、その時々の場を想像し体感できる展示空間となる。美術品とは何か?を改めて問い直してみたい。
2020年から毎年開催している、石橋財団コレクションとアーティストとの共演「ジャム・セッション」展。第5回目となる本展は、いま世界から注目を浴びているアーティスト、毛利悠子を迎えて開催される。主にインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間が潜在的に有している流れ/変化に形を与え、知覚の回路を開く毛利。ここでしか体感できない「微細な音や動きで満たされた静謐でいて有機的な空間」にいざなわれる。毛利の都内初大規模展覧会でもある。
人物表現の豊かさを紹介する展示。ヨーロッパの美術の歴史を見てみると、作品制作の重要な要素のひとつである「ひとを描く」ということ。たとえば自画像は、画家たちにとって重要な生活の糧であり、自らの技量を示すことのできる題材であり、そして様々な新しい表現の実験の場でもあったのだ。
4階石橋財団コレクション選のフロアに設けられた特集コーナー展示では、2023年6月に逝去した「野見山暁治」(会期:2023年12月9日〜 2024年3月3日)、「清水多嘉示」(会期:2024年3月30日〜 7月7日)、「マティスのアトリエ」(会期:2024年11月2日〜2025年2月9日)の展示も予定されている。
アーティゾン美術館
Tel:国内 050-5541-8600(ハローダイヤル)
海外:047-316-2772(ハローダイヤル)
詳細:https://www.artizon.museum/
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