2017年4月にオープンした「アートビオトープ那須」が、約6年の運営を経て、2023年11月30日で閉館となった。建築家・石上純也による「水庭」、建築家・坂茂による「スイートヴィラ」などで知られる複合施設で、株式会社ニキシモと株式会社タカラレーベン(現・MIRARTHホールディングス株式会社)の2社共同事業で行われていた。閉館理由は、1000日に及ぶ新型コロナウイルスによる観光業の影響と発表されている。
この場所では、アーティストの滞在制作を支援する「アーティスト・イン・レジデンス」プログラムやオープンカレッジ「山のシューレ」、各国大使夫人による音楽会などの文化事業などが開催されてきた。
なかでも、1600㎡の土地に広がる木々と100を越える池で構成される「水庭」は、多くの人々を魅了してきた。土、苔、飛び石、池など、人が作った庭ではあるが、周辺の環境と溶け込ませた新しい自然の風景を見せていた。
「1982年この那須山麓横沢にはじめて立った時“牧草地、放棄地、原野”が混合した、荒れた地に一本の美しいせせらぎの音が優しく、心揺さぶられたことを昨日のように思い出します。(中略)二期倶楽部(現星野リゾート「リゾナーレ那須」)、アートビオトープ(MIRARTHホールディングス株式会社)は人の手に託すことになりますが、郷土史によればメインストリートから少し横に入った沢の美しい場所と記されている通り、今後もこの地の環境保全にお力添えいただき、さらに発展していくことを願ってやみません」と、二期倶楽部創業者/総合プロデューサー 北山ひとみはコメントを発表した。