11月4日から7日の4日間、東京にて初開催となるプロジェクト「アートウィーク東京」が行われる。その開催に先駆け11月2日、都内で記者会見が行われた。
登壇者は塩見有子(アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT]ディレクター)、片岡真実(森美術館 館長)、小山登美夫(一般社団法人 現代美術商協会CADAN 代表理事)、村上隆(アーティスト、カイカイキキ代表[オンライン参加])、小松隼也(一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォーム 理事)。司会は蜷川敦子(アートウィーク東京 共同設立者・ディレクター、Take Ninagawa代表)。
「アートウィーク東京」(以下、AWT)とは国際的に活躍するギャラリーから新世代のアーティスト・ラン・スペース、国立美術館からプライベートミュージアムまで、現代アートを牽引してきた都内50のギャラリーと美術館が「現代アート」を軸に集い協働するかつてない規模のアートイベントのこと。
展覧会(各美術館やギャラリーで実施)、アートバス、トークが3つの柱となる。
「アートバス」とは、50の美術館とギャラリーをつなぐバスが、4つのルートで10時から18時まで15分おきに巡回するもので、バス停はそれぞれのアートスポットに置かれ、どこからでも乗車可能。また、バスを舞台にアート作品が展示されているため、それぞれのルートで、異なる4つの作品が体験できる(チケット購入、スマートフォンとイヤホンが必要)。
企画を行うのは、ポンピドゥー・センターをはじめとする美術館で活躍してきたキュレーターのユン・マ。グループ・音楽、塩見允枝子、高山明、毛利悠子が創造する「声」とともにに東京を巡る。
本企画について、小山登美夫は「東京っていうのはすごく大きな範囲に美術館やギャラリーが点在している街。それらをバスで巡るプランは夢に見ていたけどこれまで実現しなかったことでした。バスは出会いの場でもあるので、そこでつながる人々が今後東京の文化にどのような影響を与えるかというのも楽しみです」と意気込む。
会場では、今回AWTに協力を行う「アートバーゼル」のディレクター・アジア、アデリン・ウーイのビデオメッセージを上映。「東京はアートバーゼルにとって特別な場所です。そして、東京の多彩な文化に光を当てることは自然なステップでした」と語った。アートバーゼルは主にAWTのオペレーションや海外のネットワークへの働きかけにおいて協力を行っているという。
片岡真実は、そうしたアートバーゼル等世界の名だたるアートイベントに言及し、「街中の各施設がイベントにあわせたプログラムを用意し、大きな盛り上がりを見せます。AWTは美術館やギャラリー、アーティストなど異なる立ち位置のセクターが連携することで東京のアートシーンのエコシステムが実感きるという点でも需要になってくると思う。また、コロナが収束する中で海外の人がやってくる中で受け皿があるのはすばらしい」と、国際イベントとしての役割を強調。
AWTの共同設立者・ディレクターの蜷川敦子はAWTのきっかけがパンデミックにあったこと、そして「日本のアートのエコシステムをどのように守っていくか。そして、もう一度我々のエコシステムを守る方法を見つけたいと思いから始まりました」と語り、AWTは来年以降も11月に開催を予定していると明かした。
今後の展開について村上隆は「AWTは海外からのお客様が日本に集まる動機となるような、世界のアートカレンダーに入るものになると思う。今から次回以降に向けて活動しています」と期待を語った。
なお、関連トークはすでに公式YouTubeチャンネルで公開されているため、こちらもチェックをおすすめしたい。
アートウィーク東京
https://www.artweektokyo.com/
野路千晶(編集部)
野路千晶(編集部)