京都市とファーガス・マカフリーギャラリーの共催により、アンゼルム・キーファーの新作による展覧会が、世界遺産・二条城にて開催されることが発表された。期間は、2025年春の3月下旬から6月下旬を予定している。
ドイツの画家・彫刻家であるアンゼルム・キーファー(1945〜)は、1970年代末から1980年代にかけて隆盛を誇った「新表現主義」の代表的な作家だ。1993年の展覧会「アンゼルム・キーファー展 メランコリア―知の翼」は、日本の主要な美術館を巡回し、彼の深遠な芸術が広く紹介された。この展示の成功を経て、キーファーは1999年に日本美術協会より、高松宮殿下記念世界文化賞を絵画部門で受賞し、国際的な評価を得た。
本展に際して、アンゼルム・キーファーは、『陰翳礼讃』の一節を用いながら「谷崎潤一郎が綴った古い日本建築への深い洞察に魅了され、それは私の芸術に新たな光を与えるインスピレーションとなった。二条城の反射光源としての金の実用的な使用は、私にとって啓示である。美学と政治力の融合、そして創造、破壊、再生の歴史的な循環は、私の意識に深く響く。2025年の春、桜が咲く頃に二条城での展示ができることを心から楽しみにしている。」とステートメントを発表。
またギャラリストのファーガス・マカフリーも、「アンゼルム・キーファーの絵画が持つ平面的な遠近法と、金地に施された黒インクのグラフィックは、私に90年代初頭の京都大学での記憶と二条城の訪問を思い起こさせました。」とコメントしている。
アンゼルム・キーファーの新作展覧会
会期:2025年3月下旬から6月下旬まで
会場:世界遺産・二条城(二の丸御殿台所・御清所及び城内庭園の一部を予定)
主催:京都市、ファーガス・マカフリーギャラリー