アナ・メンディエタ Untitled(Glass on Body Imprints) 1972 出典:アナ・メンディエタのウェブサイト(https://www.anamendietaartist.com/)
1985年9月、36歳の若さでアパートの窓から転落死したアーティストのアナ・メンディエタ(1948〜1985)。その謎に包まれた死に迫るノンフィクション小説『Naked by the Window: The Fatal Marriage of Carl Andre and Ana Mendieta』(ロバート・カッツ著、Atlantic Monthly Pr、1991)が連続ドラマ化されることがわかった。
脚本と制作総指揮を務めるのは、メンディエタと同じくキューバ系アメリカ人の女性の劇作家、チャリーズ・カストロ・スミス。主演は、映画『バービー』やドラマ『アグリー・ベティ』への出演で知られる女優のアメリカ・フェレーラ。
アナ・メンディエタは12歳でキューバから姉とともに亡命した、もっとも影響力のあるキューバ系アメリカ人アーティストとして知られるひとり。短いキャリアの中で精力的に活動し、亡命、移住、風景への回帰といったテーマで写真、映像、ドローイング、彫刻、サイト・スペシフィック・インスタレーションなどを発表。代表的シリーズ「Silueta」は、土の上にかたどった自身の肉体や女性の象徴的モチーフを花、木の枝、苔、火薬などの様々な素材を組み合わせたパフォーマンス作品で、女性性、祖国から切り離された身体が表現されている。
メディエンタは85年にアメリカ人彫刻家のカール・アンドレ(1935〜2024)と結婚したが、同年、ともに暮らすアパートの高層階から転落死した。
この出来事を小説家のロバート・カッツが調査し書き上げられたノンフィクション小説が、今回ドラマ化される『Naked by the Window: The Fatal Marriage of Carl Andre and Ana Mendieta』だ。同著のカバーには以下のような解説が書かれている。(*)
アナ・メンディエタが、夫であり著名な芸術家カール・アンドレと同居していたグリニッジ・ヴィレッジのアパート34階から転落死した。警察の捜査員は、メンディエタが絶望的な高所恐怖症であったこと、窓の位置から事故の可能性が低いことを知り、ただちにアンドレを殺人容疑で起訴。メンディエタの死とアンドレの裁判は美術界を驚かせ、分裂させた。カールは1988年2月に無罪となったが、アナの死の謎とその経緯は解明されていない。『Naked by the Window』は、2世代のアーティストの物語、2人の獰猛で傲慢な気質と忘れがたい人物の物語、そしてなぜ1人だけ生き残ることができたのかを解き明かす。
ドラマの公開日は現時点で発表されていない。
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