今年のゲストアーティストは「身につけるグラフィック」として独特の平面デザインを衣裳などに展開する中田泉と、日本画を現代の視点で描く山本太郎、クラブからメジャーシーンまで幅広い活動を行うミュージシャンのrei harakami。
スパイラルの気持ちよく吹きぬけたアトリウム空間には、山本太郎の大きな屏風型作品がどっしりと数点待ち構え、宙には中田泉のグラフィツクを纏ったモデルの姿が大きな懸垂幕となって浮いている。音を使った作品が少ないので、BGMとして流れているrei harakamiの音楽も嫌味がない。
選抜作品で印象に残ったのは、線画の描かれた透明な板をレイヤー状に重ねて、複雑な立体イメージをつくり出していた金田良や、無数の穴が網状にあけられた黒い紙をライティングしたインスタレーションで、できあがる影との複合イメージも効果的だった下森明香など。
大学周りの手厚いサポートがあるとはいえ、この手の企画としては完成度が高く独自性もあるので必見だ。
Makoto Hashimoto
Makoto Hashimoto