世界中の子供たちのオペラ鑑賞作として選ばれることも多いというモーツァルトのオペラ『魔笛』を南アフリカ出身の現代アートの巨匠、ウィリアム・ケントリッジが演出。新国立劇場 オペラパレス にて4月16日〜24日にわたって上演される。
『魔笛』はジングシュピール(歌芝居)として作曲された、愛と冒険のファンタジ ー作品。「おいらは鳥刺し」「パ・パ・パ」といった親しみやすい曲、夜の女王の歌う有名なアリア「地獄の復讐はわが心に燃え」など聴きどころが満載で、モーツァルト晩年の美しい曲が次々に繰り出される。さらに単純なファンタジーを超え、友愛の精神や人間が克己し成長していく様が描かれ、崇高な精神と音楽でクライマックスを迎える、無二の傑作として大人のファンも多い名作だ。
ウィリアム・ケントリッジは、その代名詞でもあるドローイングをコマ撮りして丹念に制作した重層的な映像で『魔笛』を演出。人間性の影と光を対比させる素朴な映像美、舞台からあふれ出すケントリッジならではの深い知性とポエジーが作品の本質を伝える。
指揮は名匠オレグ・カエターニが新国立劇場初登場。ショスタコーヴィチ交響曲全集で熱狂的ファンを集めるカエターニだが、数々の歌劇場の首席指揮者や音楽監督を歴任、オペラにも活動の軸足を置いており、今回は日本でオペラを指揮する待望の機会となる。そのほか、鈴木准、砂川涼子、安井陽子ら日本を代表する歌手が集結する。
ケントリッジ版『魔笛』は 2000年にモネ劇場、リール歌劇場(フランス)、ナポリ・サンカルロ歌劇場、カーン歌劇場(フランス)の共同制作によって初演され、その後アフリカ、アメリカ各国まで世界中で大ヒットとなり、シャンゼリゼ劇場(パリ)、ミラノ・スカラ座、エクサンプロヴァンス音楽祭などでも上演。新国立劇場では大野和士芸術監督就任第一作として2018/2019 シーズン開幕に新制作上演された。
オペラ入門にもぴったりな本作を豪華メンバーで堪能できる貴重な機会となりそうだ。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
魔笛 Die Zauberflöte/Wolfgang Amadeus Mozart
全2幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
公演日程:2022年4月16日 14:00/18日 18:30/20日 14:00/23日 14:00/24日 14:00
会場:新国立劇場 オペラパレス
チケット料金:S 27500円・A 22000円 ・B 15400円・C 8800円・D 5500円・Z 1650円
前売開始:2022年3月20日