札幌で世界の最新アート作品に出合える、特別なアートイベント。2020年の中止を経て6年半振りの開催となる札幌国際芸術祭2024(略称:SIAF2024)が2024年1月20日〜2月25日に開催されると発表された。札幌市内6会場を中心に、10ヶ国以上、約50組のアーティストが参加。日本初公開の新作も展示される。また、前回に引き続き、屋外イベントや市民参加型プロジェクト、企業や団体とのコラボレーションが展開される。
札幌では当たり前のように存在しているはずの「雪」の意味や、雪が作り出す風景も、21世紀末には現在とは異なるものになると予測されています。
この芸術祭では、そのような未来の地球、社会、コミュニティー、生活のための変革と創造に焦点を当てます。(中略)
ー札幌国際芸術祭 公式ホームページ ディレクターメッセージより
未来劇場(東1丁目劇場施設)では、16組による100年後を見つめるための表現が集まる(※)集まる。ロボット工学の知識や経験を駆使した、生物のような動きを見せるアート作品を制作する韓国出身のチェ・ウラムの新作も楽しみにしたい。またドイツのジョヴァンニ・ベッティ+カタリーナ・フレックによる大規模なインスタレーションは、来場者に氷河が失われる事態の深刻さを体験させるとともに、地球温暖化を食い止めようとする極端な試みを通して今を考えさせるものとなっている。※参加組数:10月6日現在
北海道立近代美術館では、「1924-2024 FRAGILE[こわれもの注意]」というタイトルで、1924年から2024年までの100年を再考する展示が行われる。厳しい国際関係に翻弄される北洋漁業の現場を追った平野禎邦(1944~1992)の写真や、関東大震災の被災者生活支援活動の拠点として建築家の今和次郎(1888~1973)が設計した東京帝国大学セツルメントハウスの写真などが紹介される。
モエレ沼公園では、雪倉庫という特殊な空間を使って、フィンランド出身のユッシ・アンジェスレヴァとスイスのアーティストユニットAATBが、ロボットアームと氷、光を使った体験できない展示を行う。また「雪×アート×テクノロジー」をテーマにした、参加者がルールや道具を考える未来の運動会も、2024年2月23、24日に開催される。
札幌芸術の森美術館では、体験型のユニークな作品を行うアートユニット明和電機にフィーチャー。「メディアアーツの森 明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌 / メディアアーツ都市・札幌 って知ってました?」をタイトルに、札幌と「メディアアーツ」の関係を捉え直す。
市民がSIAF2024を盛り上げる「公募プロジェクト」も実施される。その名も“みんなでウパㇱテ”。ウパㇱテとは、北の大地で独自の文化を築いてきたアイヌの言葉だ。雪を意味する「ウパㇱ」を語源とする「ウパㇱテ」には、「雪とともに未来に向けて走り出してみる、雪を通して互いに気づきあってみる」という、今回の芸術祭のテーマに相応しいイメージが重なっている。雪や氷を使った体験型イベントや写真展、AIを使ったコンサート、舞台公演、ミニスキージャンプ大会など、応募された企画の中から選ばれた13件の企画が行わえる。
またSIAF2024の特徴に、「イニシアティブ・パートナー」というものがある。これは、SIAFが目指す方向性に共鳴し、ともに社会課題解決を目指すため、企画や準備の段階から様々なかたちで協働する企業を指す。
さっぽろ雪まつり大通2丁目会場では、これからの移動や暮らし、食などに焦点を当て、未来を構想する「未来の雪のまち」が出現する。これは、イニシアティブ・パートナーである株式会社良品計画とパノラマティクスによる共催だ。また、ビジターセンターSCARTSでは、『WIRED』の日本版編集部により、「SIAF AS A TOOL」という切り口で、トークセッションやポッドキャストなど様々なコンテンツが編集される。
10月6日より、こちらのチケット販売サイトより販売が開始されている。
札幌国際芸術祭2024
https://2024.siaf.jp/