公共空間におけるアートのあり方、まなざしやポートレイトの問題を問うアーティストJRが、ウクライナ西部の都市リヴィウで新たなアートプロジェクトを始動した。
リヴィウの中心街広場に広げられたのは、日除けなどに使われるタープにプリントされた全長148メートルの巨大な少女のイメージ。これはウクライナからポーランドへと逃れようとする5歳の少女を撮影したもので、ウクライナ人写真家からJRのもとに届けられたそう。JRと彼のチームがこのイメージを持って街を移動しはじめると、約100名の市民らが人が行進に加わったという。
JRが所属するペースギャラリーのホームページ上では「ウクライナの上空を飛ぶ人たちに、守られるべき人たちがここにいることを思い出させながら、みんなが歩いた。ヴァレリアとウクライナの750万人の子供たちは未来であり、彼らの映像は、この国がなんのために戦っているのかを私たちに思い起こさせてくれる」とのJRとそのチームによる声明が発表されている。
同プロジェクトの資金調達のため、動画と静止画、ふたつのNFT販売が開始されている。一次および二次販売で得られた資金の100%は、ウクライナからの国境を越えるために待ち続けている女性や子供たちを支援するための物流ネットワークの構築にあてられる予定だという。