2024年にリニューアルしたシブヤ・アロープロジェクトで、世界的に評価の高いアーティストのバリー・マッギー(Barry McGee)による幅16m高さ3.5mの大型壁画が公開された。場所は、渋谷区東3丁目の庚申道架道橋。マッギーらしいジオメトリックなグラフィックとポートレイトのドローイングを織り交ぜた作品に、本作品のパートナー、アメイズ(Amaze)が呼応して、カリフォルニアのカルチャーを表す作品を制作した。
シブヤ・アロープロジェクトは、災害時の一時退避場所と避難経路を周知する目的で、2017年に渋谷区で発足されたプロジェクト。首都直下地震等の大規模な災害が発生した場合、首都圏のほとんどの公共交通機関が運行を停止し、渋谷区では約23万人の帰宅困難者が発生すると想定されている。シブヤ・アロープロジェクトは、外国人を含む来街者の一時退避場所を、アートを通じて情報発信していく。
マッギーは、サンフランシスコ・アート・インスティテュートにて絵画と版画を学び、サンフランシスコ近代美術館やボストン現代美術館、ヴェネチア・ビエンナーレ、プラダ財団など世界各地で作品を展示してきた。ストリート・アートやグラフィティ・カルチャーをギャラリーや美術館で紹介したパイオニアとして知られる。アメリカの民芸芸術、メキシコの壁画、サーフカルチャーなどを取り入れた作品は、都市生活の多様性を称え、消費主義文化や商業主義主導の社会への警鐘を鳴らしている。
シブヤ・アロープロジェクトは、今後も様々なジャンルの国内外のアーティストとのコラボレーションを通して、街の景観を豊かにしていくと同時に防災意識向上に繋がる情報発信をしていく。マッギーの壁画から最寄りの一時避難所は、恵比寿ガーデンプレイス。公式ウェブサイトには、これまで制作した壁画やマップも掲載されている。