ワコウ・ワークス・オブ・アートの開廊20周年記念展として、2012年12月8日(土)より2013年1月26日(土)まで、現代
絵画の巨匠ゲルハルト・リヒターの新作展を開催します。
ドイツを代表する現代美術作家であり、国際的にも最も重要な画家と評価されるリヒターは、1960年代より、フォトペインティングやカラーチャート、何層にも重ねた色響きあう抽象画と、一貫して絵画の本質を追求しながら様々な試みに挑戦し続けてきました。昨年から今年にかけて、ロンドン、ベルリン、パリにて、50年の軌跡を辿る大回顧展 “Panorama” が巡回されています。今なお美術界を牽引し、創造性に溢れた作品を発表して常に私たちに新鮮な驚きを与えてくれているアーティストです。
本展で最も注目すべき作品は、2012年の最新作である、リヒター自身が描いた抽象画を複雑にデジタル加工してプリントした、色鮮やかなボーダーが目を引く“Strip” です。さらに、8枚のガラスを使った立体作品と、昨年、ロンドンのテート・モダンで発表した、写真にエナメルで彩色を施したシリーズ “Museum Visit” より20点を紹介致します。いずれも日本初公開です。
直接手を触れることなく自らの作品を分解、再構成する作業は、西洋絵画の伝統そのものをも解体(strip)し、新たに生まれ変わらせています。それは同時に、今や私たちの生活や文化、アイデンティティーにまで否応なく入り込んでくる新しいデジタル化の波を、鑑賞者に対して改めて見つめ直すよう促しています。
「シャイン(光、仮象)は私の一生のテーマだ」作家が長い探求の過程で切り開いた表現を、この機会にご高覧ください。
[画像: STRIP(926-6) (2012) digital print on paper mounted between aluminium and Perspex (diasec), 150 x 300 cm]
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