中国系アメリカ人のアーティストであるBecky Yee(ベッキー・イー)は消えつつある東京の昔ながらの商店街や下町に興味を持ち、商店街を巡って写真を撮り続けています。東京は時代とともに目まぐるしく変貌を遂げ、現在は若者を中心に、主に渋谷や原宿などに文化的要素や生活基盤が集中しています。それに伴い東京の至る所にあるローカルで小さな地元商店街の存在を、多くの若者たちが忘れかけています。活気が失われつつある商店街も存在する中で、商店街によっては住人のアイデンティティ、コミュニティは現在に確実に残っており非常にそれぞれに違った興味深いものがあります。
中落合ギャラリーの建物もまた、以前は蕎麦屋であり、商店街の外れに位置しています。外国人のイーの視点から見た商店街は、従来の型にはまらない表現手法で撮られ、力強い作品群に仕上がっています。伝統を守る年配層と、流行を追う若年層を対比させた作品を通して、衰えかけた商店街に活気と地域の連帯意識を再びもたらすことに挑戦しています。
東京の文化、風景はイーの撮る写真に常に多大な影響を与えています。イーが『クレイジーなアンダーワールドと風景』と称す、整然かつ冷静な姿勢に象徴される日本社会とイーの目で見たそれはあまりに対照的です。
ベッキー・イーはニューヨークのチャイナタウンに生まれ育ちました。ニューヨーク州立大学のコミュニケーション学科で学士号を取得。現在はフリーのファッションカメラマンとして東京をベースに活動しています。主にRelax、SwitchやNylonなどの雑誌で活躍し、坂本龍一、木村カエラ、Hitomi、Nigo等の著名人のポートレートを数多く写真に収めています。ニューヨークにおいて2005年に名高いPDN Photo Annualを受賞。
ル・デコ渋谷にて初の展覧会『Good Girl Bad Girl eyesaw's12』を開催し、10代の売春婦を題材にした作品を展示しています。2度目の展覧会『3p:All Girls Camera Orgy』展をHPGRPビル銀座にて開催。現在活躍中の女性カメラマン3名が4フロアを自由に使い大規模な写真展を行い、その中でイーは『Shinjyuku Electric Lady Land』を発表しています。
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