青木豊 "Untitled" 2024 Acrylic, spray paint, aluminum paint on canvas mounted on panel 124.0 x 194.0 cm ©︎ 2024 Yutaka Aoki

青木豊 「U」

KOSAKU KANECHIKA(京橋)
1月25日開始

アーティスト

青木豊
KOSAKU KANECHIKAでは、2025年1⽉18⽇から3⽉1⽇まで天王洲にて、また1月25日から3月8日まで京橋にて、青木豊展「U」をそれぞれ開催いたします。


青木豊は、絵画の視野を広げ、世界と絵画の関係とその新しい可能性を追究する制作活動を行っています。二次元と三次元を自由に行き来するような作品や、素材の物質性や制作方法自体、そして鑑賞者の視線の動きの相互反応にフォーカスした作品。刻々と変わる絵画の豊かな表情を、時間軸で瞬間としてとらえる試み。また特に青木は一貫して光へ – 光が時間軸、鑑賞者の存在、展示空間などの環境の要素に補完され、有機的に立ち上がるような豊かさを捉え、また一方で光の存在の自明性自体を問い直すこと – アプローチしてきました。実験と新たな発見のプロセスを繰り返すことによって、青木は常に絵画そのものを再発見しています。

KOSAKU KANECHIKAでは7度目となる本展に際し、青木は以下のようなステートメントを寄せています。
 
走る馬を断続的に撮影した「動く馬」(エドワード・マイブリッジ、1878)にて、馬が走っている最中に宙にいる瞬間があることがわかった。解剖学者の養老孟司氏はこのような写真から、目には時間が入っていないと語っており、⽬は瞬間を捉える装置だと考えることができる。
時間については1994年にメキシコの洞窟で撮影された映像が参考になる。スカイダイビング中に撮影された記録には棒状の生物と思しきものが写り込んでいて、スカイ・フィッシュと名付けられた。想定の姿がイラスト化されると未確認生物として世間を賑わせた。飛び降りたダイバーと空中を飛ぶ虫に生じた作用から描かれたイラストは時間の概念が具現化したものと言える。
瞬間と時間の混在は⽇々起こる。僕は電車で寝過ごすことがあり、目的地が終点だとなおのことだ。終点から数駅のところで目が覚める。自分の意識とは逆方向に身体が揺れて動き出したときに電車が折り返して走っていることを知る。起きたばかりの脳には時間の矢印がどちらに向いているのかわからないので、この時に生じる混乱が面白くて自分の感覚と賭けをしている。
瞬間と時間の間には数えられないものがある。時間を知るには作用元の働きと具体的な身体感覚が不可欠である。これを絵画に導入したい。
固定化しえないものとして、本展のタイトルをU(不可算名詞)とした。
 
「瞬間」と「時間」、そしてその間にある数えられないもの。こういった世界の構造や多様な現象を認識するという行為と、絵画の平面性や物質性という普遍的かつ根源的な問題への探究を重ね合わせるのが青木の制作の核となっています。ある発見があれば、それによって次の取り組むべき問いが生まれるといったように、彼の探究は続いていきます。世界の諸相が均一に感じられるような情報化の時代にあって、固定化しえないものを探究し続けるその過程が、彼の作品群に現出しています。天王洲のスペースでは小さめの、京橋のスペースでは大型のいずれも新作作品を、あわせて40点展示します。この機会にぜひご高覧ください。

スケジュール

2025年1月25日(土)〜2025年3月8日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
日曜日、月曜日、祝日

オープニングパーティー 2025年1月25日(土) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://kosakukanechika.com/exhibition/u_kyobashi/
会場KOSAKU KANECHIKA(京橋)
https://kosakukanechika.com/
住所〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F
アクセス東京メトロ銀座線京橋駅6番出口より徒歩3分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口より徒歩5分、都営浅草線宝町駅A7出口より徒歩5分、JR東京駅八重洲中央口より徒歩7分
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