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[画像: 尹熙倉「何か #932」陶粉、アクリルメディウム、72.7×72.7(cm)、2014年]

尹熙倉 「正方形の」

GALLERY CAPTION
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アーティスト

尹熙倉
ギャラリーキャプションでは、11月2日より12月1日まで「尹熙倉展-正方形の」を開催いたします。尹煕倉(ユン ヒチャン/1963年兵庫県生まれ)は1993年に岐阜市長良河畔の玉井町筋で行った、格子戸が残る民家の軒先に陶立体を設置したアートプロジェクト「呼吸する壁」展以来、ギャラリーキャプションと関わりの深い作家です。

日本で生まれ育った尹は、1988年に多摩美術大学大学院を修了した後、手びねりで四角く整えられた陶製のミニマルな立体を空間に配する「そこに在るもの」シリーズや、その立体を砕いて粉にした「陶粉」による静謐な絵画「何か」「Sand River」などを手掛けながら、国内外で活動を続けています。

尹の表現は、陶を素材として、場所や空間との関わりや、手で作ることへの意味づけ、ものを作ることの合理性と不合理といったテーマによって複層的に構成されていますが、作品の多くに、矩形がモチーフとして用いられています。それについて尹は、2010年に大英博物館(イギリス)などで行った、四角いモノの調査・研究を経て、人類が生きるためにものを作ろうとする、その営みの意力を、矩形に感じるようになったと語っています。

『四角い形は自然界には発生しにくい形で、四角い形をしたものがそこに在るということは、誰かが意思を持ってそれを作った(そこに置いた)ということになる。つまり人間の生きる意思を表す。さらに四角い形は人間が発見した合理性の象徴のように思える。人間はその合理性の恩恵を受けてここまで発展し続けてきたが、同時にそのことに疲れてもいる。もっともありふれた形である四角にはもっとも素朴なLove & hateが込められている。』 (*)

矩形の中でも、正方形や立方体は合理的な均衡を持った特別な存在であり、絵画においても正方形の画面は、描く側と見る側に特別な取り組みが求められると尹は捉えます。テレビや映画のスクリーンのように、左右に広がる人間の視界にあわせた長方形に対し、人の目の動きを制限するかのような正方形に、私たちは無意識のうちに窮屈な思いを強いられています。人間の観念が作り出した純粋なこのかたちを用いることは、ある意味、 不自然な取り組みであると言えるのかもしれませんが、尹はそこに肯定的な意味を見出そうとしています。

「正方形の」と題した本展では、まさに正方形にテーマを絞り、初期から現在までに制作された陶粉画の中から正方形の画面に描かれたものと、新作の陶の立方体作品を並置することで、尹の活動を正方形から切り取り、眺めてみようとするものです。それは、正方形を介した、描く側と見る側の不自然な取り組みのなかに、ものを作ること、そして見ることへの人間の欲求を探る機会となることでしょう。

(*) 尹熙倉 「Love & Hate at 大英博物館」 (「視覚の現場 四季の綻び 2010.5 vol.5」 醍醐書房 2010年発行) より抜粋

スケジュール

2024年11月2日(土)〜2024年12月1日(日)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
月曜日、火曜日
11月27日は休廊
入場料無料
展覧会URLhttps://www.gallerycaption.info/yoonheechang2024
会場GALLERY CAPTION
https://www.gallerycaption.info/
住所〒500-8813 岐阜県岐阜市明徳町10 杉山ビル1F
アクセス名鉄名古屋本線・各務原線名鉄岐阜駅中央口より徒歩18分
電話番号058-265-2336
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