池崎拓也(b.1981)は、徳之島出身で幼少期を島で過ごし、鹿児島市内で育ったのち、武蔵野美術大学に進学し、中国に留学しました。その後東京にスタジオを構えましたが、2018年に渡米し現在ニューヨークを拠点に活動しています。コロナ禍で彼を取り巻く環境と風景は大きく変化し、その度に自らの居場所を探し制作をしてきました。1月末まで国立新美術館での「DOMANI・明日展 2022–23」にも参加し、新近作を発表いたしました。The Address on The Addressシリーズは、ニューヨークに移り住んだのち、新しい住所に届いた手紙や、ネットショッピングで購入した商品のパッケージに、主に故郷徳之島の風景を描いたものです。1953年、徳之島を含む奄美群島は戦後8年間のアメリカ統治下から解放されました。はっきりと刻印され明記された現在の自身の住所と、自らの出自である徳之島の風景をオーバーラップさせることで、アイデンティティの所在を探し続けているかのようです。
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