「UESHIMA MUSEUM ANNEX 今津景展」

UESHIMA MUSEUM ANNEX
あと7日で開催

アーティスト

今津景
本展は、東京オペラシティ アートギャラリーで開催される大規模個展(2025年1月11日 - 3月23日)とも時期を合わせ、今津作品の中でも最大級の《⽣き残る》(2019年制作)を含む当館の今津作品コレクション12点全てを展観するものです。

今津の絵画作品はインターネット上で収集した様々なイメージを画像編集ソフトによって合成・改変した下図を作成し、それを元に油彩で描かれます。作品の中で見られる流動的な筆致や絵具の掠れなどは下図の段階で綿密に作られている他、画像編集ソフト内の描画ツールによる特性や、ソフトウェアの処理能力を超える作業負荷による画像データの損傷(バグやグリッジ)をも受容しています。それらは旧来の絵画手法によっては得られず、CG技術に支えられた仮想空間ならではの視覚体験です。今津はこの表現方法によって、絵画らしさ、デジタル画像らしさ、というような私たちが無意識的に抱いているステレオタイプを翻してみせます。手始めに思い込みの態度を捨てさせられることで、絵画に内包された今津の様々な問いかけに対して偏りのない精神で向き合えるように導かれていくのです。

今津がインターネットから集めた画像は、個人的な生活、歴史や社会的な問題意識、更には自らも含む生命の営みといった、大小様々な関心事に紐づいて選択的に拾い上げられています。本展は、今津の活動初期にあたる2000年代後半から現在までのおよそ20年弱のキャリアを大まかに辿る構成となっています。その間、今津が日本からインドネシア・バンドゥンへと活動の拠点を移し、異地の自然、宗教、文化、歴史に触れ自身のルーツを捉え直し、出産を経て育児と並行しながらの制作環境へと多くの変化を経験していったことは、作品の中でも大きな影響となって表れています。各年代ごとの作品に描かれているモチーフに変化が見られるとすれば、それは今津自身を取り巻く環境や社会に対する問題意識の変遷として捉えることもできるでしょう。インドネシアと日本という二つの国・地域が今津の精神の深部で繋がっていくに伴って、選び取られるモチーフは多様性を増し、一枚の絵画の中で語られるものは重層性を強めています。本展において、現在を生きるひとりの人間として、その同時代性を鮮やかに表象し得る稀有な美術家として、今津景のアクチュアリティに支えられた鋭い批評の眼差しを読み取っていただければ幸いです。

スケジュール

2025年1月15日(水)〜終了日未定

開館情報

時間
11:0017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
備考
2025年3月末終了予定
入場料一般 600円、高校生・中学生 400円、小学生以下 無料
※日時指定WEBチケット制
会場UESHIMA MUSEUM ANNEX
https://ueshima-museum.com/
住所〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-16-5 MUPRE北参道3F
アクセス東京メトロ副都心線北参道駅2番出口より徒歩4分、JR山手線原宿駅竹下口より徒歩10分、JR中央・総武線千駄ヶ谷駅より徒歩12分
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