「たのしいイソップ童話の世界」

軽井沢絵本の森美術館
6月22日終了

アーティスト

いまいあやの
絵本の起源と言われる「世界図絵」は、現在でいう教科書や図鑑のような役割を持っていました。その後、「ホーン・ブック」「バトルドア」など、聖書の内容やアルファベットを子どもに教える印刷物が普及し、現在の絵本を含む子どものための本につながっていきました。加えて18世紀の教育では、子どもに知識や道徳を教えることが重視されるようになります。こうして、子どものための本は、「子どもにものを教えること」から出発しました。

この時期の子どもの本は、「教訓」を題材にすることが多くありました。そこでよく取り上げられたのが「イソップ童話」です。動物が擬人化したような形で、人生の教訓や風刺を表現するお話は「寓話」と呼ばれ、イソップ童話はこの最たる例です。19世紀末~20世紀になると、イソップ童話はウォルター・クレイン、アーサー・ラッカムといった現代絵本の創成期に活躍した画家たちによって、子どもの本に描かれるようになりました。堅苦しく感じる「教訓」も、動物の姿を通して教えてくれるイソップ童話に、子どもたちは親しみを覚えてきたのです。

本展では、長野県佐久市在住の絵本画家・いまいあやの『イソップ物語 13のおはなし』(BL出版、2012年)の絵本原画を中心に、さまざまなイソップ童話をイラストともにご紹介します。「ウサギとカメ」「キツネとぶどう」などの有名なものから、「オンドリと宝石」「泉のほとりのシカ」といったあまり知られていないものまで、多くのイソップ童話にふれていただくことができます。いまい氏が描くイソップ童話の中でも「みえっぱりのカラス」と「カラスとハトたち」は、それぞれのお話のずる賢いカラスが、一枚の絵の中で対になっているユニークな構図の作品です。

さらに、いまい氏の代表作『くつやのねこ』(BL出版、2010年)の特集展示を行います。素材となった「ながぐつをはいたねこ」の作者シャルル・ペローの紹介をまじえながら、本作の魅力をひも解いていきます。シャルル・ペローは、17世紀フランスの宮廷作家であり、「グリム童話」の編纂者・グリム兄弟にも大きな影響を与えました。本展では「イソップ童話」と合わせて「グリム童話」「ペロー童話」や「アンデルセン童話」といった、童話の種類についても解説していきます。  

スケジュール

開催中

2025年3月8日(土)〜2025年6月22日(日)あと96日

開館情報

時間
10:0016:00
5月から10月は9:30〜17:00
休館日
火曜日
4月29日、5月6日は開館
5月7日は閉館
入場料一般 1000円、高校生・中学生 700円、小学生 500円、未就学児 無料
会場軽井沢絵本の森美術館
https://museen.org/ehon
住所〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉182
アクセスJR線・しなの鉄道軽井沢駅北口より西武観光バス(風越公園行き)「塩沢湖」下車徒歩1分
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