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小宮太郎 「肖像のフレーミングのための開帳制作室」

Art Center Ongoing
終了しました

アーティスト

小宮太郎
この度、Art Center Ongoingでは、小宮太郎による展覧会「肖像のフレーミングのための開帳制作室」を開催します。
小宮は、絵画や写真作品、インスタレーションなどを制作するアーティストです。近年では、マスキングテープを重ねて貼り合わせることでドアが存在しているように見えるトロンプ・ルイユ(騙し絵)をつくり出した作品《The doors》などで広く知られています。
あるとき、小宮が電車に乗った際、手鏡を覗きながら化粧をしている人を見かけました。化粧をしている人が手鏡を介して見る姿=他者の肖像と、小宮から見たその人の姿は、反転しており同じものではありません。手鏡に写った他者の肖像を見ることができないと強く感じた小宮は、「portrait」という手鏡をスキャニングする作品シリーズの制作を始めました。本来、誰かを写すものであった手鏡をスキャニングすると、鏡の面が真っ黒に出力されて、鏡の機能を持たない物質として表れます。

「portrait」シリーズをはじめた2009年、小宮はたくさんの知り合いから手鏡を借りてスキャニングしました。スキャンする中で、いくつかの手鏡が当時の折りたたみ式携帯電話と形状が似ていたり、一方で、スマートフォンにも見えるシルエットの手鏡も見受けられたと言います。今日ではスマートフォンのカメラなどをつかっていつでも自分を映し出し、見ることができます。しかし、スマートフォンの電源が切れて、真っ黒なガラスとしての機能しか作用しなくなったとき、そこに写る姿は、カメラに映る姿とはまた異なります。気軽に自分自身をうつすことのできる手段が増えた昨今、手鏡やスマートフォンで自身の肖像を見る人のまなざしは変化してきているのかもしれません。

本展覧会では、小宮が鑑賞者の手鏡やスマートフォンをスキャニングする公開制作を行います。手鏡やスマートフォンは持ち主の肖像を写すものですが、スキャニングすることで、鏡としての機能を持たない物質そのものの肖像が浮かび上がります。しかし、肖像となったそれらの、色やかたち、傷などの情報からは、持ち主の存在が見え隠れします。
会場では、手鏡やスマートフォンを借りるにあたり、小宮と鑑賞者が同意書を交わします。同意書を交わすこと、また、小宮と鑑賞者が会話をすることは、肖像から個人の物語が派生するきっかけにもなります。
カーテンで囲まれた制作室でのスキャニングはまるで儀式のようです。鑑賞者と小宮のあいだで捉え直され、変容する「肖像」のあり方を、ぜひ会場でご覧ください。

スケジュール

2025年2月26日(水)〜2025年3月9日(日)

開館情報

時間
12:0021:00
水曜日・木曜日・金曜日は16:00〜18:00休憩
休館日
月曜日、火曜日
入場料400円(セレクトティー付き)
展覧会URLhttps://www.ongoing.jp/tag/installation/unveiling/
会場Art Center Ongoing
http://www.ongoing.jp/
住所〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩9分
電話番号0422-26-8454
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