自身のスタジオを拠点とし、雑誌撮影、広告等、フォトグラファーとして精力的に活動していた2019年、突然の病により突きつけられた有限の刻。過ぎゆく時間の中で迫りくる焦燥、戸惑い。しかしこれはまだ道程なのだと自らに言い聞かせ、時間の移ろいをテーマに花と光を撮り下ろした『still a life』にて初の個展を開催(2020年)。それから間もなく、再発の告知を受けてすぐ「撮りたいものがある」と改めて取りかかった今作。同じ時間をテーマにしつつも視点はいつしか道程から永遠へ。 この世ともあの世ともつかない浮遊感のある写真は彼の記憶なのか祈りなのか--。本人没後、2022年9月に開催された第2回西澤崇写真展『as time goes by』にて来場者の多くに「まるで天国の風景のよう」と評されたカラー写真全12点をこのたび「海と本」にて再構成いたします。
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