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伊阪柊 「Méconnaissance“Tephra” / 無為|非知『テフラ』」

トークンアートセンター
終了しました

アーティスト

伊阪柊
Token Art Centerでは、2023年1月21日より伊阪柊の個展「Meconnaissance“Tephra”」を開催します。伊阪は、これまで自然科学では説明できない出来事や不可視な現象と人々の営みをリサーチししながら、そこで得られた事実と仮設を用いて、異なる複数の事象や時空を独自の話法によって繋げるような作品を制作してきました。フィールドワークに基づいた3DCG、VR、自作の観測・鑑賞装置を用いて映像特有の説得力を模索しています。
本展「Meconnaissance“Tephra”」では、これまで制作してきたSp-sシリーズの新作《The Spumoni》を上映します。
Sp-sシリーズとは基本的に自分の住んでいる親しみのある時空間と、どこか遠い時空間との関わりを巡るフィールドワークを行った結果としての映像制作です。これまでの本シリーズにはThe Sprout、The Sprite、The Spindle、The Spandrelがあり、これらはいつも特定の場所と、そこから励起されるオブジェクト(特殊テロワール)が関与します。中心で動く人物は作家自身ではありますが、これと言って作家自身の実存が重要なのではありません。作家の存在はむしろその場所の時空間が持つ構造と、遠い時空間の接続によって発生する物体のイメージの蠢きの間をたださまよっているだけとも言えます。展覧会全体である「Meconnaissance“Tephra”」は、そのような映像と場所と機材等の動態の総合的なドキュメントとなります。
新作《The Spumoni》で関わるものとしては、火山灰、軽石、年縞、そして仙薬などがあります。Spumoniとはイタリアの氷菓を意味し、この製造過程は大まかに、牛乳を原料に冷やしながら空気を含むように撹拌してクリーム状にし、これらを重ねて作った複数のアイスクリームの層にさくらんぼの塊などを入れるというような流れになります。
この過程は軽石や火山灰の生成のそれと相似的です。地中深くから上昇してきたマグマは急激に低圧低温環境に晒されて発泡しながら冷えて固まり、木っ端みじんになります。《The Spumoni》ではこの層状の氷結構造が、地質学的な時間を探査する尺だったり、映像を駆動させるメディウムだったり、はたまた長時間性を行き来する仙人のための秘薬のような役割を果たします。
また同時に、近作である小道具インスタレーションと映像の複合作品《Reconnaissance “Tephra”》は、その火山灰や軽石を追跡する主体による対話としてあり、「Meconnaissance“Tephra”」の姉妹編のようなものです。どちらも同じ現象を扱い、そしてどちらもその制作過程から作られたオブジェクト特殊テロワールが登場するのですが、この二つの特殊テロワールは明確にその時間的な質を異にするものです。《Reconnaissance“Tephra”》では認識と行為を行う主体が行方不明になりますが、「Meconnaissance“Tephra”」ではその行方について言及することを試みます。
伊阪にとって約3年ぶりの個展、ぜひご覧ください。

スケジュール

2023年1月21日(土)〜2023年2月19日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日
入場料500円(お茶付き)
会場トークンアートセンター
http://token-artcenter.com
住所〒131-0032 東京都墨田区東向島3-31-14
アクセス東武伊勢崎線東向島駅より徒歩8分、東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩10分、京成押上線京成曳舟駅より徒歩10分
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