阿波根昌鴻 「人間の住んでいる島」

写大ギャラリー
1月31日終了

アーティスト

阿波根昌鴻
阿波根昌鴻(1901-2002)は、 沖縄・伊江島で米軍に対して非暴力の土地闘争を展開した人物として知られています。沖縄戦から 10 年後の 1955 年、伊江島では基地拡大を目的とした米軍により、阿波根らの住む真謝区の住民らは住む場所と農地を奪われ、餓死者を出すに至りました。「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強制的な土地接収とその後も続いた横暴に対峙するために、阿波根は一台の二眼レフカメラで日々の出来事を記録し始めました。カメラによる記録を抵抗の手段としたのです。阿波根らは島でたった一台しかなかったそのカメラを代わる代わる使い、軍事演習が引き起こす被害や米兵による暴力、「乞食行進」と呼ばれる行脚の様子などを記録し、米占領下で不可視化されていた離島の出来事を可視化しました。やがて支援の輪は、沖縄島だけでなく沖縄と切り離されていた本土にも広がっていきます。

阿波根の著書には、『米軍と農民』(1973年)や『命こそ宝 沖縄反戦の心』(1992年)、唯一の写真集『人間の住んでいる島』(1983年)などがあり、カメラとペンによる詳細な記録が残されています。2002 年に亡くなるまで平和の大切さを訴え続けた阿波根は、いつしか「沖縄のガンジー」と呼ばれるようになりました。東京工芸大学では、『人間の住んでいる島』の編集を手がけた張ヶ谷弘司氏のもとで保存されていたプリントを収蔵すると同時に、残されたモノクロネガフィルム約 3600 枚をデジタル化し、新たに銀塩プリントを制作しました。ネガの中には、伊江島の日常のスナップや住民たちのポートレイトが数多く含まれており、阿波根が守りたかったものが何だったのかを垣間見させてくれます。写真史的にも稀有な記録をぜひご覧ください。

スケジュール

開催中

2024年11月5日(火)〜2025年1月31日(金)あと65日

開館情報

時間
10:0019:00
休館日
木曜日、日曜日、祝日
12月26日〜2025年1月5日、1月16日〜1月19日は休館
11月23日は開館
入場料無料
会場写大ギャラリー
http://www.shadai.t-kougei.ac.jp/
住所〒164‐8678 東京都中野区本町2-4-7 東京工芸大学 5号館(芸術情報館)2F
アクセス東京メトロ丸の内線・都営大江戸線中野坂上駅より徒歩7分
電話番号03-3372-1321
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