18, Murataでは斉藤思帆による個展『Pic of Pain』を5/11(土)より開催いたします。 斉藤思帆は、これまでに和紙などの素材にアクリル絵具や水彩絵具、シルクスクリーンを用いて、版画の手法を取り入れた絵画制作を行ってきました。斉藤はそれらの作品を見せる際に、家の壁紙を切り抜いて額装のマットに、あるいは家に置かれるような棚にオブジェを重石に使って作品を引っ掛けるなどインスタレーションとして展示します。それは絵画を見せる以上に、芸術作品を展示するため設えられた空間に、人の生活の営みや人が自然に芸術と交わる接点を表出させようとする試みなのかもしれません。オンライン上での見せ方も同様で、正しく正面から撮影するのではなく、生活の中で絵画が唐突に発見されたような写真を通して作品を見せます。
今回の個展では、作品が見られる環境を作品に取り込もうとする斉藤の視点が顕著に現れる作品のドキュメンテーションの方法にフォーカスし、写真作品と絵画作品の2つの軸に焦点を当てた展覧会を開催します。展示期間中、作品が記録された写真作品は常にご覧いただけますが、入口正面の壁面では、絵画作品が毎日入れ替えられます。 タイトルの『Pic of Pain』はPicture of Paintingを略したものですが、言葉が略されることによって別の意味も付与されます。それは、絵画が写真に写されるとき、別のイメージに変容することの示唆のようにも受け取れます。
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