マイケル・リキオ・ミング・ヒー・ホー 「my dad always told me that at the end of the day is night」

i GALLERY
11月3日終了

アーティスト

マイケル・リキオ・ミング・ヒー・ホー
マイケル・リキオ・ミング・ヒー・ホーの作品は、一見シンプルに見えますが、じっくりと向き合うことで、その奥深さが少しずつ広がります。まるで噛めば噛むほど味わいが増すスルメのように、見るたびに新たな発見があり、作品との対話が深まるのです。彼は現代社会の中で私たちが見過ごしてしまう不安や感情に光を当て、日常の中に潜む複雑な感情や矛盾をそっと浮かび上がらせます。

彼の作品には、だまし絵(トロンプ・ルイユ)を取り入れた変形キャンバスが使われています。遠くから見ると立体的に見えますが、近付くとそれが2Dであることに気づきます。この視覚的なトリックは単なる効果にとどまらず、ホー自身が感じるアイデンティティの揺らぎや、私たちが抱える孤独感、不安定さを象徴しています。また、彼はSNSやインターネットミームから引用したフレーズを複数のフォントで描き、異なる感情やトーンを巧みに表します。作品《SLOW MORNINGS》では、異なるフォントが複数の人物の声を想起させ、文字の持つ機能を活かすことで、視覚的なリズムと深みを生み出しています。さらに、展示空間全体に目を向けると、キャンバス同士が対話をしているかのようにも見えます。

本展では、ゲームのキャラクターとしても馴染み深い「キノコ」のモチーフが登場します。ホーにとって日本文化への応答としてのキノコは、デフォルメされることでまるで人間のような姿にも見え、私たちに遊び心とともに深いメッセージを伝えます。ホーは、キノコを通じて、人間の曖昧さや不確実さ、そして現代社会の不安定さを表現しています。また、すべての作品は手描きで制作されており、デジタル時代においても手作業の温かみが残り、筆触のわずかな揺らぎが鑑賞者に人間的な感触を与えます。

展覧会のタイトル「my dad always told me that at the end of the day is night」は、一見詩的で深い意味を期待させますが、最終的には「夜になる」という当たり前の事実に帰着します。そこにはユーモアと皮肉、軽いオチが込められており、ホーの作品全体に通じる感覚が見事に表現されています。このシンプルな結末は、一見明白でありながらも、鑑賞者にわずかな空虚感や不条理さを残し、深く考えさせる余地を与えるのです。

ローレンス・ウェイナーやジェニー・ホルツァーといったコンセプチュアルアーティストの影響を受けつつも、ホーは独自の内面的で詩的なスタイルを確立しています。作品を一度見ただけでは全貌を捉えきれないかもしれませんが、何度も向き合うことで隠された感情やメッセージが少しずつ浮かび上がってくるでしょう。じっくりと向き合い、作品に込められた深みを味わってみてください。

スケジュール

開催中

2024年10月18日(金)〜2024年11月3日(日)あと11日

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
火曜日

オープニングパーティー 2024年10月18日(金) 17:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://www.igallery-osaka.com/michaelrikiomingheeho-i-gallery-osaka
会場i GALLERY
https://www.igallery-osaka.com/
住所〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場3-8-14 ACN 心斎橋Garden 1F
アクセス地下鉄御堂筋線・長堀鶴見緑地線心斎橋駅2番出口より徒歩4分
電話番号06-4708-7065
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