メランカオリ + 大木裕之 「いわひごと」

Art Center Ongoing
3月23日終了

アーティスト

メランカオリ、大木裕之
この度Art Center Ongoingでは、メランカオリと大木裕之の2人展「いわひごと」を開催いたします。
メランカオリは1991年生まれの山羊座、アーティストであり占い師でもあります。これまで制作のテーマや素材、制作日を占いによって決めてきました。大木裕之は1964年生まれの牡牛座で、映像や身体パフォーマンス、インスタレーション、ドローイングで知られるアーティストです。

今回の展示に向けて、メランが日常的に行う占いや、生活の中で気になったキーワードは、「土星」「祝福」「丸」「ねこ」など、複数存在し、そこから着想を得たイメージが展示空間に広がっているとメランは話します。例えば、一つ目のキーワードである「土星」はメランの星座の守護星で、常に重要な存在とのこと。展示室を一周するチューブ管は、土星の輪を意識しているそうです。また「祝福」は、この展示期間の前後に、大木の誕生日(3/23)や、Art Center Ongoing 代表の小川の芸術選奨授賞式(3/11)、さらには土星の輪が地球から観測できなくなる期間の始まり(3/23)など、いくつかの祝福が重なったことから選ばれたもので、展示のタイトル「いわひごと」にも繋がっていきました。メランが行う占星術の世界では、ここ数年で星の位置が大きく変わり、それと同時に社会も新たな時代を迎える、と言われているそうです。それが祝福されることかは分かりません。ただメランは、その変化のなかで、近代社会の常識では捉えることのできなくなった星の声に耳を澄ませ、制作を行いたいと話します。

一方の大木は、今回の展示では、メランが作り上げた空間に後から応答していくスタイルを取るとのことで、このテキストが書かれている展示オープンの前日、大木の作品どころか、その姿もOngoingにはありません。日用品が空間に散らばり大木本人が展示空間に関わり続ける作品スタイルは、計画されていない突発的な行動の連続のように思われます。しかし大木は、常日頃から思考を続けており、決してその瞬間に爆発的に生まれた行動ではなく、精査の上に選び取られた、あらかじめ予感されていた行動をとっているのかもしれません。とはいえ今回の二人展でも何が展開されるかは、まだ誰にも予測できず、その時目撃されたものだけが鑑賞者にとっての作品ということになるでしょう。

ところで、メランと大木、二人の、突飛な発言の連続には出会う誰もが驚かされることでしょう。メランは星の動きを含む自身の環境から、生活や制作の指針を独特のワードチョイスで決めていきます。大木の次々に移り変わる行動や発言は、周りの人たちを独自のテンポに巻き込んでいく時さえあります。二人が選び取るキーワードや行動は、規範や事実が重要視されるこの社会では時に怪しくも感じられます。しかしその逸脱は、両者が常に何かを思考し続け、自身の環境を多角的に観察し続けているからこそ可能な、オルタナティブな選択なのかもしれません。

メランの占いを介した世界の読み解き、また大木にしかないテンポでの行動。二人がそれぞれのオリジナリティー溢れる決定方法で、何かを選び取り、行動にし続ける姿は、私たちがこの複雑な社会を生きていく上での、重要なヒントを示唆しているように思えてなりません。展示空間に広がる、二人に選択されたイメージやモノが出会い新たな意味が発生する現場を目撃していただければと思います。

スケジュール

開催中

2025年3月12日(水)〜2025年3月23日(日)あと8日

開館情報

時間
12:0021:00
水曜日・木曜日・金曜日は16:00〜18:00休憩
休館日
月曜日、火曜日
入場料400円(セレクトティー付き)
会場Art Center Ongoing
http://www.ongoing.jp/
住所〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩9分
電話番号0422-26-8454
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

0件の投稿

すべて表示

まだコメントはありません