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メイシャ・モハメディ「yesterday I was a tiny tube of toothpaste」

10月16日終了

アーティスト

メイシャ・モハメディ

Paceギャラリーは、東京の⿇布台ヒルズに完成した新スペースのグランドオープンを記念し、アメリカ⼈アーティスト、メイシャ‧モハメディの新作絵画展を開催いたします。「yesterday I was a tiny tube of toothpaste」と題された本展は、⾊彩とカリグラフィー的な抽象表現を巧みに⽤いるモハメディの物語性溢れる作品を紹介します。また、本展の開催に合わせ、展⽰作品の制作ノートともいうべきモハメディのスケッチブックの複製版がPaceパブリッシングより出版され、ブライアン‧ディロンによる書き下ろしの論考が掲載されます。

モハメディの作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロサンゼルス郡⽴美術館、マイアミ現代美術館（ICA）に所蔵されています。カリフォルニア州サンルイスオビスポで育った彼⼥は、独学で絵画を学び、画家として出発する前は、神経科学者としての訓練を受けていました。現在はロサンゼルスを拠点に制作活動を続け、普遍的な思想や経験についての⾃⾝の考えが反映された、空気感のある抽象画で知られています。モハメディは、時間の経過とともに展開し、解き放たれ、露わにされる特異なイメージで満たされた絵画のなかで、⾊や形、⾔語や物質の関係性を探求しています。発想、発⾒が、記号的にも⾒える彼⼥の絵画表現の中⼼にあり、輪郭の周囲や輪郭線を通してスペースを構築するその絵画は、ある種の発掘作業の結果のようです。作品それぞれの核にあるのは微かな神秘性であり、モハメディにとっては、この本質こそが、彼⼥の絵画プロセスが⽣み出すさまざまなフォルムの指針となり、安易な解釈や合理性に反駁する、いわば誰も触れ得ない、聖なる真実へと彼⼥を導いているのです。

認識と経験の地図として機能するモハメディの作品は、直感的かつ思索的に構築され、奇妙なほど鮮明な筆遣いと豊かな⾊の塗りで構成されています。その抽象表現には、⼿と⾝体とがキャンバス表⾯と衝突して⽣まれる、いわば断絶と抱擁の瞬間が⾒て取れるようです。彼⼥はまた、記憶、思考、⾔葉、感情を⾃⾝の抽象画の起源として使⽤することで、個⼈的な語彙としての幾何学形態を紡ぎ出し、⾔い表せず、実体がなく、しかもなお普遍的な観点から、⾃⾝の⼈⽣の詳細や逸話を表現しているのです。モハメディの⾊彩に対するアプローチにも、彼⼥⾃⾝の世界観が根づいています。⽇々の経験と観察のなかで絵画のための⾊を「収集」し、記録することで、⾊が織りなすその物語性に⽣命⼒と調和の感覚が⽣まれ、彼⼥のキャンバスをより⽣き⽣きとしたものにしています。

モハメディにとって⽇本およびアジアで初となる今回の個展では、2023年から2024年に制作された未発表の絵画に焦点が当てられています。これらは、約20年前のモハメディの⽇記に触発されたもので、彼⼥はその頃、短期間ですが、⽇本で仕事をしていました。作品名の半数は、当時の⽇記に記された⼈々や訪問場所の名前から取られています。モハメディは、この⼀連の絵画制作において⾃⾝が20代だった頃の精神空間に⽴ち戻り、⽣き直すことで、海外での⾃⼰形成期と現在の⽣活における偶然や幸運な巡り合わせを織り交ぜているのです。このように、東京で発表される作品には、彼⼥の絵画制作に特徴的な⼿法のひとつが照射されています。それは、⽇常⽣活や⼈間関係から⽣まれる物語や場⾯を抽象化して繋ぎ合わせるというパッチワーク的な⼿法です。

メイシャ‧モハメディ「yesterday I was a tiny tube of toothpaste」展は、Pace東京の新スペースの正式なオープンを記念する展覧会です。また、特別プレビューとして観客の皆さまにお披露⽬しているサロン形式の作品展⽰は、引き続き8⽉9⽇（⾦）まで開催されます。

本展の開催に合わせ、メイシャ‧モハメディ、新畑泰秀⽒（アーティゾン美術館学芸員）、マーク‧グリムシャー（Pace CEO）によるトークセッションを予定しております。

[関連イベント]
Pace Live メイシャ‧モハメディ展トークセッション
日時: 9⽉6⽇（⾦）17:00〜18:00
会場: ⿇布台ヒルズギャラリーカフェ
参加費: 無料
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

開催中

2024年9月6日(金)〜2024年10月16日(水)あと29日