Kenshiro Kihara 《Cicada》 2025 Oil on canvas 1620×1303mm

木原健志郎 「Wings」

ARTDYNE
5月6日終了

アーティスト

木原健志郎
このたびARTDYNEでは、木原健志郎による2年ぶり2回目の個展「Wings」を開催いたします。本展では、木原が新たに展開する静物画シリーズ《リビング・フィギュア》を中心に、「生」と「死」、「虚構」と「現実」が交錯するその独自の絵画世界を紹介いたします。

ある日、制作のためにフィギュアをリペイントしていた木原の視線が、ふと卓上のサボテンに留まりました。「塗装されたサボテンは、“生きたフィギュア”になり得るのか?」――そんな問いをきっかけに、《リビング・フィギュア》シリーズは誕生します。

塗料をまとった植物や虫、肉片といったモチーフたちは、やがて朽ちゆく運命にありながらも、薄く重ねられた塗膜によってその形を保ち、「生」の痕跡をとどめようとします。ここで木原は、虚構(フィギュア)と現実(生命体)という二項のあわいにある“ズレ”を、鮮やかに浮かび上がらせます。

木原にとって「描くこと」とは、単に目の前のものを再現する行為ではありません。彼の作品は一見すると限りなく写実的ですが、鑑賞者に「これはいったい何なのだろう」と思わせる、根源的な違和感を常に残します。特筆すべきは、彼の卓越した描写力が、単なる技巧にとどまらず、作品のコンセプトと不可分に結びついている点です。塗装されたモチーフが、あまりにも緻密に、過剰なまでにリアルに描かれることで、かえって「現実とは何か」という問いが立ち現れてくるのです。こうして描かれた静物たちは、視覚的なリアリティを超えて、そこに刻まれた時間性や物質性、さらには存在そのものへの問いを私たちに投げかけてきます。

本展は、木原健志郎が一貫して取り組んできた「虚構と現実の関係性」、すなわち作られたイメージや演出された存在を通じ、現実がいかに不確かで揺らぎを含んだものであるかを可視化する、静かで力強い試みとなります。

スケジュール

開催中

2025年4月19日(土)〜2025年5月6日(火)あと13日

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日
5月5日、6日は開廊
入場料無料
展覧会URLhttps://www.art-dyne.com/exhibitions/999/
会場ARTDYNE
https://art-dyne.com/art/
住所〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1-1-6 小浦第一ビル2FC室
アクセス東京メトロ日比谷線・東西線茅場町駅7番出口より徒歩2分、東京メトロ半蔵門線水天宮前駅6番出口より徒歩7分
電話番号03-6284-4458
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