Gallery OUT of PLACEは4ー5月期の展覧会として、藤田和孝の新作展「The Sound of Silence 怒り、そして祈り」を開催いたします。今回の展覧会では、奈良県山辺郡のアトリエで一人黙々と絵を描き続ける画家、藤田和孝(b.1940)を紹介します。藤田は23年前県立高校の英語教師を退職後画業に専念し始め、2001年にPeace Boatに参加。念願の100日間地球一周の旅を敢行します。世界各地を訪れ、そこで見た風景、出会った人々を描き、大量のドローイングをスケッチブックに残しました。また2003~04年には、ネパールに英語指導ボランティアとして二度滞在し、そこでも多くの作品を残しています。2016年に胃癌が見つかるまで精力的に制作を続けていた藤田でしたが、胃全摘手術後の後遺症に長く苦しむことになります。2019年、やっと創作活動に復帰できた矢先世界中がコロナ禍に陥り、そして2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発しました。このニュースに大きなショックを受けた藤田は、その翌日から何かに憑かれたかのように一心不乱の境地で、今までの画風とは異なった黒い絵を描き始めました。今回の個展では主に、ロシアウクライナ戦争が続くこの1年に描かれた作品群を紹介いたします。
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