「第 7 回パリ青年ビエンナーレ」(パルク・フローラル)にて、《赤・カンヴァス・電気など》を制作する吉田克朗。1971 年 9 月。©️The Estate of Katsuro Yoshida/ Courtesy of Yumiko Chiba Associates

「吉田克朗展 -ものに、風景に、世界に触れる」

埼玉県立近代美術館
7月13日開始

アーティスト

吉田克朗
1960 年代末に日本の戦後美術に変革をもたらした「もの派」の中核作家であり、その後、実験的な手 法を通して絵画を探求した吉田克朗(1943-1999 年)。この展覧会は、その全貌に迫る待望の初回顧展 です。

1943 年に埼玉県深谷市で生まれた吉田は、1964 年に多摩美術大学に進学し、斎藤義重の下で指導を受 け、同時代の海外の美術動向にも興味を持つようになります。1968 年に卒業すると、同大学出身者らが 関わっていた横浜市の共同アトリエで、関根伸夫、菅木志雄、小清水漸らと制作を行いました。この時代 の転換点となった関根伸夫の《位相-大地》(1968 年)が発表された際は、制作の現場にも加わりました。

翌年の 1969 年から吉田は、物体を組み合わせ、その特性が自然に表出される作品を集中的に制作しま す。このような作風を示す動向は後にもの派と称され、国際的に注目を浴びることになりますが、吉田は その先鞭をつけた作家でした。また、物体を用いた作品と並行して、自ら撮影した風景の写真を題材に し た版画の制作も始めました。

1971 年になるともの派の作風から離れ、赤い色彩や筆触といった絵画的な要素を取り入れた作品を発 表します。1970 年代は版画の制作に加え、転写などの実験的な手法を試みながら絵画表現を模索します。 1980 年代前半には、風景や人体を抽象化して描く<かげろう>のシリーズを手掛け、その後、粉末黒鉛 を手指で擦りつけ有機的な形象を描く<触>のシリーズを精力的に制作しました。こうして、55 歳での 早すぎる死を迎える直前まで、時代と共に変貌する美術動向の只中で、あるべき制作を追い求めました。

この展覧会は、記録写真や未公開の資料を交え、もの派を代表する初期作品から、1990 年代後半の絵 画の大作までを振り返り、吉田克朗の制作の軌跡を辿ります。

前期: 7月13日-8月18日
後期: 8月20日-9月23日

[関連イベント]
・レクチャー・プログラム
1. 「吉田克朗を語る」
講師: 千葉成夫(美術評論家)
日時: 7月21日(日)15:00~16:30(開場は 14:30)
場所: 2階講堂
定員: 80名(当日先着順)
参加料: 無料
2. .「吉田克朗の絵画について」
講師: 沢山遼(武蔵野美術大学准教授、美術評論家)
日時: 8月31日(土)15:00~16:30(開場は 14:30)
場所: 2階講堂
定員: 80名(当日先着順)
参加料: 無料
・ミュージアム・シアター ダンスパフォーマンス「Errance―さすらい」
振付: ディモ・キリーロフ・ミレフ
出演: 三崎彩(コンテンポラリーダンサー)
日時: 8月3日(土) 同日2回公演 12:00~12:30(開場は 11:30)、15:00~15:30(開場は 14:30)
※各回終演後、アフタートークあり(15分程度)
場所: 2階講堂
定員: 各回50名(当日先着順)
参加料: 無料
・担当学芸員によるギャラリートーク
日時: 7月14日(日)、8月25日(日) 両日とも 15:00 から30分程度。
場所: 2 階企画展示室
参加料: 企画展観覧料
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2024年7月13日(土)〜2024年9月23日(月)

開館情報

時間
10:0017:30
休館日
月曜日
7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館
入場料一般 1100円、大学生・高校生 880円、中学生以下・障がい者手帳提示と付き添い1名 無料
展覧会URLhttps://pref.spec.ed.jp/momas/2024yoshida-katsuro
会場埼玉県立近代美術館
https://pref.spec.ed.jp/momas/
住所〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
アクセスJR京浜東北線北浦和駅西口より徒歩3分
電話番号048-824-0111
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