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K-zone. 「“祈りの音(とき)”を聴く ~Listen to the Sound of Prayer~」

金沢21世紀美術館
終了しました

アーティスト

K-zone.
宮城県松島町では、東日本大震災で亡くなられた方々への追悼のため、毎年3月11日14時46分、港に停泊する船から一斉に汽笛を鳴らします。この取り組みは2012年から始まり、以来、録音の落合諒磨と私、岸建太朗は毎年松島に通い、その〈追悼の汽笛〉を録音してきました。10年目を目前にしたある日、録り溜めた汽笛を年度順に再生すると、松島の自然の音と汽笛が深く重なり合い、まるで人と自然が交わり合う祈りの音のように感じられました。その音を一人でも多くの方に聴いて欲しい。その強い思いが、本企画の原点となっています.

当初、2024年3月に金沢21世紀美術館での初演を予定していましたが、能登半島地震が発生し、公演は延期せざるを得なくなってしまいました。私たちはこの延期を契機に、本企画の社会的な意義を問い直しつつ各地で取材を重ねてきました。その過程で、本企画の取り組みを能登の復興に寄与するものにしたいと、強く意識するようになりました。

特に白山連峰の奥地で〈水琴窟〉と出会った経験が、企画の内容に大きな示唆を与えてくれました。水琴窟とは、水滴が水瓶の中で反響し、琴のような音色を奏でる装置ですが、「音を通して人と場所を繋ぐ」という、今回の企画の核となるイメージを具体的に示すものとなっています。そこで私たちは、震災で壊れてしまった珠洲焼の陶器を、銀継ぎによって修復し、水琴窟として蘇らせようと考えました。水琴窟に、奥能登總持寺の湧水を入れ、そこへ松島瑞巌寺の湧水を観客が注ぎます。二つの被災地の水を合わせることで、復興への想いが音になり表現されるのです。

本企画は二部構成です。日中の展覧会(無料)では、松島の追悼の汽笛から始まった祈りを様々な手法で可視化し、表現した展示物をご覧いただけます。また、夜は音楽ライブ《祈りの音(とき)を観る》(有料)が開催され、金沢在住の高校生、佐藤栄那さんが出演します。石川県七尾市で誕生した「天女の羽衣(小松マテーレ)」を纏った栄那さんの祈りの踊りは、復興に向けた感情を可感化し、音楽と映像が織りなす壮大な祈りのシンフォニーとして劇場に響きます。さらに会期中には、海の幸を味わいながら能登の復興について考える「Think sea」が開催されます。このイベントには、地元能登の企業はもちろん、東日本大震災で被災した東北の広い範囲からも出展され、能登と東北の繋がりを深めます。

松島で響いた祈りが能登へと届き、被災された方々の心の復興を願うと共に、皆様のご来場を心よりお待ちしております。
この企画を通して、石川の皆様と共に、能登の復興を力強く後押ししたいと考えています。

スケジュール

2025年2月26日(水)〜2025年3月4日(火)

開館情報

時間
10:0017:00
入場料展覧会《追悼の汽笛 2012-2022》 無料(投げ銭)
音楽ライブ《祈りの音(とき)を観る》 一般 2800円、25歳以下 1500円(高校生 無料招待枠有り)、65歳以上 1500円、小中学生以下 無料
展覧会URLhttps://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=25&d=2140
会場金沢21世紀美術館
https://www.kanazawa21.jp/
住所〒920-8509 石川県金沢市広坂1-2-1
アクセスJR金沢駅東口よりバス「広坂・21世紀美術館」下車、JR金沢駅東口よりバス「香林坊(アトリオ前)」下車徒歩5分
電話番号076-220-2800
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