聖ヨハネ教会(オーストリア、フェルトキルヒ)での展示風景(2005年)Johanniterkirche, Feldkirch, Austria, 2005. Photo by Markus Tretter. Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York / Gallery Koyanagi

「ジャネット カーディフ:40声のモテット」

原美術館 ARC
5月11日終了

アーティスト

ジャネット カーディフ
磯崎新が設計した原美術館ARCのギャラリーAは、杉柱4本に支えられた高さ12mの天窓から自然光が降り注ぎ、太陽の面前を雲が横切る度に光が移ろう空間です。現代美術作品に適したホワイトキューブの特徴を備えながらも自然の息遣いが感じられ、「間」という日本的な時間・空間の美意識を論じた磯崎が設計したこの空間で、「40声のモテット」、ジャネット カーディフによるサウンドインスタレーションを展観いたします。

トマス タリス(16世紀イングランド王国の作曲家、王室礼拝堂オルガン奏者)が作曲した「40声のモテット」と呼ばれる多声楽曲をもとに制作されたカーディフの同名の作品は、2001年の発表以来、ニューヨーク近代美術館(MoMA)を始め世界各地で展示、日本でも銀座メゾンエルメス フォーラム(2009年)などで紹介された彼女の初期代表作であり、その作品力は鑑賞者の心を大きく揺さぶります。 作品の形態として目の前にあるものは楕円形に立ち並ぶ40台のスピーカーのみですが、その一台一台から一人一人の声が聞こえ、徐々に歌声が重なり合い、やがて展示室は40人が今ここで歌声を響かせ合っているかのような臨場感のある場へと変化してゆきます。言葉にすればわずか数行ながら、音が構築する彫刻的空間の体験は圧倒的であり、アートが言葉ではすくいきれないものであることを実感する作品です。

原美術館ARCでは、その前身である原美術館(東京・品川)時代から、自館の建築や環境と作品によって “ここにしかない” 時空間が立ち現れることを鑑賞体験として重視してきました。かつてオラファー エリアソンの個展「影の光」が、蜷川実花の「うつくしい日々」が、リー・キットの「僕らはもっと繊細だった。」展が原美術館と見事に共鳴したように、「40声のモテット」と原美術館ARCのギャラリーAも、ここにしかない輝きを放つ一期一会の展示となることでしょう。

スケジュール

開催中

2025年3月15日(土)〜2025年5月11日(日)あと51日

開館情報

時間
9:3016:30
休館日
木曜日
3月20日、5月1日は開館
入場料一般 1800円、70歳以上 1500円、大学生・高校生 1000円、中学生・小学生 800円
展覧会URLhttps://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/exhibition/1835/
会場原美術館 ARC
https://www.haramuseum.or.jp
住所〒377-0027 群馬県渋川市金井2855-1
アクセスJR上越線渋川駅より関越交通バス(伊香保温泉行き)グリーン牧場前下車徒歩7分、JR渋川駅よりタクシー10分
電話番号0279-24-6585
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