時吉あきな 「Liminal Suite」

BnA Alter Museum
あと5日で開催

アーティスト

時吉あきな
この度 BnA Alter Museumでは、時吉あきな 個展『Liminal Suite』 を開催いたします。

本展タイトルである『Liminal Suite』とは、境界を表すLiminalと連続を表すSuiteを組み合わせた造語となっています。
これは、時吉あきなが制作で多用する「コラージュ」手法によって現れる 張り合わされた素材同士の切断面/境界の連続である作品そのものを表していると同時に、見慣れた場所が通常の文脈を欠いて提示されるネットミーム「Liminal Space」、そしてホテルである当館にちなんで構想されました。

そもそも20世紀キュビズム以降 美術の文脈において、「コラージュ」とは元の「糊で貼り付ける」こと以上に、他の領域(もしくは他の時間)に属していた諸要素を、新しい芸術のコンテクストに移すことを意味します。
この移動もしくは過渡的なタームが展開される場所が 本展『Liminal Suite』であり、時吉が過去/現在と制作を続ける作品群でもあるのです。

時吉によるコラージュ手法を用いた作品制作は2016年より始まりました。
現実の空間にある対象を写した複数の写真を素材として三次元的に貼り合わされ構成された立体や、それらを含むインスタレーション。
特にその中心となるペットをはじめとした小動物を再現する立体シリーズは、生活圏が近しくとも人ならざる対象を設定し、その対象が感覚する空間作品としても提示されるのです。ここでも時吉の、人から対象への感性的な移動に対する関心が顕になっていると言えるでしょう。

さて、本展では、これら対象の再現である立体作品を、再度撮影、プリントし現実に再配置・構成され再々撮影された写真作品「A・KU〜感」(≒亜空間)を中心に展示いたします。
これまでの立体作品のインスタレーションビューを自身で撮影していた感覚から着想を得て2024年からスタートしたという「A・KU〜感」シリーズは、これら立体作品に現れる表面と奥行きの微弱な振動をより象徴的に表していると言えるでしょう。
そもそも時吉の立体作品は、現実の二次元的切り抜きである写真から三次元立体を立ち上げる時、その映り込んだ対象が二次元的な面である以上、どうしても環境を含め余計に映り込んだ余剰と、逆に再現に必要な映り込んでいない不足を伴っています。
この余剰と不足の同居が顕著に現れる場所が「素材同士の切断面/境界」なのであり、その連続を通して鑑賞者の目は、作品の表面と奥行きで高速に移動=振動し亜空間への回路が繋がるのです。

スケジュール

2025年3月29日(土)〜2025年6月1日(日)

開館情報

時間
11:0020:00
入場料無料
展覧会URLhttps://bnaaltermuseum.com/event/LiminalSuite/
会場BnA Alter Museum
https://bnaaltermuseum.com/
住所〒600-8024 京都府京都市下京区天満町267-1
アクセス阪急線京都河原町駅4番出口より徒歩6分、京阪線祇園四条駅1番出口より徒歩7分、JR京都駅烏丸中央口より市営バス(205号系統・4号系統)「河原町松原」下車徒歩3分
電話番号075-748-1278
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